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■◇■  JCRB 研究資源バンク メールマガジン
◆    【第5号 2006/12/22】
◆=========== 医薬基盤研究所・生物資源研究部
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今年も残すところわずかになりましたが、今年を振り返りますと、移転後
やっとメ−ルマガジンの発行にこぎつけ、実験動物バンク事業の正式にス
タート、細胞の汚染受託検査等の事業を開始することが出来、充実した一
年でした。来年もまた色々新しい試みをする予定ですので宜しくお願いい
たします。

◆2006年11月1日・実験動物バンク事業が正式にスタートしました。

現在は19種のマウスを保有しております、来年度もどんどん増やします。

卵を凍結胚で保存し、動物に戻して分譲する効率的なマウス胚バンクの確
立を目指します。

皆様のお役に立つ動物胚バンク事業とするよう一同頑張りますので、宜し
くお願いします。

詳細情報はこちらへ=> http://animal.nibio.go.jp/

◆2006年12月1日。マウス129系統BACクローンの分譲開始!!!

JCRB遺伝子バンクでは、マウス129/Ola系統BACクローンのスクリーニン
グ分譲サービスを2006年12月1日より開始いたしました。

詳細情報 → http://genebank.nibio.go.jp/gbank/bac_mouse.html

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◆ インデックス ◆
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T細胞バンク事業

1.事業紹介
2.新規細胞情報
3.細胞バンクが出来た頃(第5回:品質管理体制確立の功労者)

U遺伝子バンク事業

 マウスBACクローンスクリーニング分譲サービス開始

V実験動物バンク事業

 事業紹介

Wあとがき

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◆T◆  ★★ 細胞バンク事業の紹介D ★★
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細胞バンクでの品質管理A無菌検査と研究倫理のお話。

** 細胞バンクでの品質管理A **
細胞の品質管理の中で無菌試験を実施しております。無菌試験はガラスアンプル
作成ロット毎の試験を実施しており、アンプルに入れた細胞の品質管理を行ってい
ます。行っている無菌試験は3種類の培地を用いています。
1.血液寒天培地:栄養要求性の高い細菌の分離
2.ニュートリエント培地:好気性菌の分離
3.チオグリコレート培地:嫌気性菌の分離

細胞バンクでは細胞の表現型をできるだけオリジナルに近い状態で保つため、抗生
物質の使用をしない、あるいは最小限にしています。そんな状態の細胞でも、今ま
でに無菌試験において陽性が出たのは数えるほどしか有りません。きちんとした無
菌操作を行うことができれば細菌の混入は防ぐことができます。

  < ★PR★ =受託検査業務=>
   @ 細胞検査業務マイコプラズマ汚染検査
   A STR分析による細胞のクロスコンタミ検査

  受託検査は有料ですが、皆様が利用しておられる培養細胞の品質に関する
  データを取得しておくことは科学的にも重要なポイントとなりますので、是非ご
  検討ください。

** 研究倫理に関する活動 **

 ● 人体由来組織・細胞と情報の研究利用をめぐる最近の動き(5)
            
◇ 包括同意(4) ◇

ヒト由来の細胞・組織や情報の利用に関して、日本では1998年より多くの議論
がなされ現在の研究倫理の枠組みが作られ、指針が策定されてきました。そして、
昨年施行された個人情報保護法は、その枠組みを引き締めました。特に、インフォ
ームド・コンセントで説明された研究内容に沿った利用が強く求められ
ることとなったのです。それは、プライバシー保護、個人情報保護の徹底を求
める形で、研究倫理指針も改訂されました。

個人情報保護法が求めるプライバシー保護と個人情報保護の原則は、OECD
8原則といわれるものです。以下にそれを示します。
 1.収集制限の原則  
 2.データの完全性の原則
 3.目的明確化の原則  
 4.利用制限の原則  
 5.安全管理の原則
 6.公開の原則
 7.本人参加の原則  
 8.責任の原則

これらの原則を満たすために、現在匿名化という手法が行われています。すなわち、
目の前にある細胞を誰のものだかわからなくするということです。

ところが、1950年代から始まったヒト細胞の培養においては、培養細胞の元になった
提供者の名前をつけているものがあります。それは、組織提供者の科学研究への貢献
に対する敬意を示すためと考える人たちもいます。HeLa細胞はその典型です。
しかし、その後の、HeLa細胞の物語を読むと、敬意を払うためということには疑問が
あると考えられます。とはいえ、古い細胞では提供者の名前を冠したもの
があり、敬意をこめて名前をつけたという研究者もいることは確かなようです。

今、私たちは、どこのだれから来たのかわからないようにして、人体由来の細胞を利
用しています。それが、現実に対応したものであるにしても、そのようなヒト細胞の
利用が本当に理想なのかについて、古い細胞の話は、疑問を提示しているように思わ
れるのです。

私たちは、研究の協力者へ敬意を払うことが重要だと考えるなら、果たして、匿名化
をおし進め、誰のものかわからない細胞を利用していくだけで、問題は解決するでしょうか。

次回は、匿名化と包括同意の問題についてお話したいと思います。

公的バンクの利用者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

*** 研究倫理に関するページ (JCRB細胞バンクホームページ内)
  http://cellbank.nibio.go.jp/information/ethics/kiban01/index.html

ご質問やご意見があれば、是非 cell@nibio.go.jp へお寄せください。


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◆2◆  ★★    新規細胞    ★★
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● 新規分譲細胞のお知らせ:下記細胞3株が新たに分譲可能になりました。

○ ヒト間葉系幹細胞,多指症患者・指由来

  JCRB1174:Yub642b (bone marrow 骨髄)
  http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1174.htm

○ マウス骨芽細胞様株

  JCRB1176:KUM10
  http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1176.htm  

  JCRB1178:KUM5
  http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1178.htm


♪☆=--=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-♪☆

● JCRB細胞バンクのホームページから細胞株の情報を入手できます。
   http://cellbank.nibio.go.jp/


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◆3◆  ★★    細胞バンクが出来た頃(第5回)    ★★
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品質管理体制確立の功労者

石館先生と喧嘩さながらの議論をしながら細胞バンクの運営を開始したお話をし
ましたが、考えてみれば医薬品食品衛生研究所の変異遺伝部の皆様にも大変お世
話になりました。変異遺伝部は食品、医薬品、農薬等々の人間生活の身の回りの
物質の中に含まれる変異原物質をモニターして、そのリスクを低下させることを
目的に設置された若い『研究部門』でした。この部は培養動物細胞を使った『染
色体異常試験』と微生物を使った『突然変異試験』を担当する二つの室で構成さ
れていました。

そこへ部長の石館先生が細胞バンク事業を引き受けて来られたのですから、それ
ぞれの室の方々はさぞ大変だったことと思います。それでも嫌な顔もせずに色々
助けてくださったことは感謝感謝でありました。私は皆さんが大変苦労された後
に雇われマダム的に採用されたわけですから、甘い汁だけ吸わせてもらったのか
もしれませんね。

特に、染色体異常試験を担当していた第一室の当時室長だった祖父尼先生には大
変お世話になりました。まだ細胞バンクには正規職員が配属されていなかった時
期(1985年、私は当初リサーチレジデントでした)に、アメリカのATCCに3ヶ
月ほど滞在して技術指導を受け、それをATCCの施設概要とともに私達に伝授して
くださったのです。それが現在のJCRB細胞バンクのマイコプラズマ検査やア
イソザイム検査などの品質管理体制の基礎を築いたのでした。思えば寒い寒い1-
2月頃に細胞バンクのためにアメリカに行ってくれと言われてさぞやびっくりさ
れたと思いますが、文句一つ言わずサラっとやってくださった力量にはびっくり
いたしました。

この時期、細胞バンクはいかなるものか、いかにあるべきなのかについて、石館
先生との『喧嘩』も含めて色々議論をした楽しい時期でもあったかもしれません。
また、当時ATCCの培養部門の部長だったHay博士を呼んでのセミナーなども
行い、日本の細胞バンクはいかにあるべきかをさらに議論したものでした。この
頃はまだSTR分析手法は無く、細胞のクロスコンタミの問題には手が付いては
いませんでした。ATCCでも、染色体分析によるHelaマーカーの検出について
の記載をカタログにしているだけでした。とりあえずはATCCの真似から始めよう
と考えたのでした。しかしえらそうに言うならば目標はその上を行くことであり
ます。少なくとも意気込みだけは・・。

                生物資源研究部(JCRB細胞バンク)水澤 博 

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◆U◆  ★★ 遺伝子バンク事業 ★★
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■ マウス129系統BACクローンの分譲開始

JCRB遺伝子バンクでは、マウス129/Ola系統BACクローンのスクリーニン
グ分譲サービスを2006年12月1日より開始いたしました。この BACクロー
ンは東海大学医学部大塚先生より寄託を受けたものです。

129/Ola系統はES細胞作製に用いられるマウスの系統で、そのBACクローン
はトランスジェニックマウスやノックアウトマウス作製に有用です。納期、
価格、スクリーニング方法についての詳細はWebサイトをこ参照ください。

http://genebank.nibio.go.jp/gbank/bac_mouse.html


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◆V◆  ★★ 実験動物バンク事業 ★★
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医薬基盤研究所では11月1日に実験動物資源バンク事業を正式に開始いたしま
した!疾患・創薬研究を支える疾患モデル動物の分譲、関連情報の発信を行い
ますので、是非ご利用ください。

**実験動物バンクの事業**

○疾患モデルマウスの収集/収集したマウスの品質管理、凍結胚での保存
○疾患モデルマウスの分譲
マウス胚50個/チューブを融解し、胚移植後、生まれた産仔すべてを
分譲します。(97000円/1件)
○ 凍結胚・凍結精子の保護預かり業務
(動物の情報は非公開でお預かりします)
クライオチューブ4本保管で11000円/1年
ストロー16本/1年保管で11000円/1年
○疾患モデルマウス関連情報発信

**新規分譲マウスのお知らせ**
12月からGFPマウス、loxP-Rap1GAPII-Tgマウスの分譲を開始いたしました!

C57BL/6-Tg (act-EGFP)OsbC14-Y01-FM131マウス(GFPマウス、Green mouse)
資源番号:nbio020
由来:大阪大学遺伝情報実験センター
樹立者・寄託者 :岡部 勝先生
分譲条件:寄託者にMTAを提出

オワンクラゲ由来Green Fluorescent Protein 遺伝子(act-EGFP)を全身に発現
させたトランスジェニックマウスです。 GFPを発現している細胞は、UVもしくは青
色光照射により容易に可視化できるため、臓器移植実験や細胞移植実験などに
利用可能です。

loxP-Rap1GAPII-Tgマウス
資源番号:nbio021
由来:国立循環器病センター
樹立者・寄託者 :望月直樹先生
分譲条件:提供承諾書が必要。

FLAG-Tagged human Rap1GAPIIを過剰発現させたトランスジェニックマウス。
Cre発現マウスとの交配により、FLAG-Tagged human Rap1GAPIIが発現します。
Rap1GAPIIは、低分子量Gタンパク質Rap1活性を抑制します。

医薬基盤研究所 実験動物バンクのホームページ
http://animal.nibio.go.jp/
分譲可能な動物の情報はこちらのホームページで公開しております。

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あとがき
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昨年の今頃、当研究所のあります彩都は、積雪のためバスがストップして陸の
孤島となりました。生き物を扱う施設ですので、2時間かけて徒歩で出勤した職員
もおりました。今冬はどうでしょうか・・・・。

暖冬とはいえ、やはり寒くなってきて、街はクリスマスムード一色ですね。夜はイ
ルミ−ネ−ションがいっそうム−ドを盛り上げてくれています。このイルミネ−シ
ョン、個人のお宅でも結構見かけるようになりました。気持ちを暖めてくれますし、
防犯にも役立っているそうです。

今年もあとわずかですが、皆様にとってどのような1年でしたでしょうか。JCRBで
はメールマガジン発行を開始した記念すべき1年でした。来年も皆様方のお役に
立てますよう努力して参りますので、よろしくお願い申し上げます。では、よいお年
をお迎え下さい。


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☆☆      JCRBメ−ルマガジンへのアクセス      ☆☆
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★ JCRB e-mag へのご意見・お問い合わせ先:
  (独)医薬基盤研究所 メールマガジン発行事務局
  メール: cell@nibio.go.jp

★ 細胞分譲の依頼先
  (財)HS研究資源バンクまでどうぞ。親切丁寧に対応いたします。
  メール: hsrrb@osa.jhsf.or.jp
  
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★ 発信元
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独立行政法人医薬基盤研究所
◆ 細 胞 バ ン ク (http://cellbank.nibio.go.jp/)
◆ 遺伝子バンク (http://genebank.nibio.go.jp/)
◆ 実験動物バンク (http://animal.nibio.go.jp/)
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