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■◇■  JCRB 研究資源バンク メールマガジン                 
◆    【第27号 2008/10/29】                             
◆ ===== 医薬基盤研究所・生物資源研究部
◆          http://cellbank.nibio.go.jp/cellbank.html
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メルマガバックナンバーは細胞バンクのホームページに掲載しております。
( http://cellbank.nibio.go.jp/information/magjcrb/ )

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◆ インデックス ◆
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I  セミナ−などのお知らせ

II   JCRB細胞バンク

 1.事業紹介 

   =研究倫理に関する活動=
 
 2.新規細胞のご案内 

III 実験動物バンク事業
 1.事業紹介

 2.新規マウス分譲情報

 3.疾患モデルマウスの紹介
   【MEF2Aマウス】

W あとがき

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◆I◆  ★★ セミナ−などのお知らせ ★★
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◆一般公開のお知らせ◆

 一般の方々の理解や近隣地域の小中学生が科学に触れ、興味を持つ機会を
 設けることを目的に、当研究所の施設・設備を広く一般に公開致します。
   
 日時 平成20年11月15日(土)
      10時から16時(9時半会場) 
        詳細は http://intweb.nibio.go.jp/kikaku/index.html

◆循環器病の研究をさせる生物資源セミナ−のご案内◆

人の病気の研究はいろいろな方向から研究を進めることが大切であり、そ
の基礎となるのが病気の研究に利用できる生物資源と呼ばれるものです。
例えば、患者さんが提供する組織や血液、病気のモデル動物、薬用植物や抽
出物、培養細胞、遺伝子など多様な生物資源があって初めてひとつの病気の
研究が可能となります。
今回のセミナーでは、循環器の病気が生物資源を用いてどのように研究され
ているかについて皆様にご理解いただきたいと思い計画いたしました。是非
ご来聴をお願いいたします。

◎と き  2008年11月19日(水)13時から17時
◎ところ 千里阪急ホテル2階アイヴィーホール 北大阪急行又は
            大阪モノレール「千里中央駅」下車すぐ
http://www.hankyu-hotel.com/cgi-bin2/cms2/access.cgi?hid=23senrihh

◎プログラム

都市部地域一般住民を対象とした血栓症の研究
  宮田 敏行(国立循環器病センター研究所病因部部長)
サル類を用いた循環器疾患モデルの開発とその利用
  揚山 直英((独)医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター
疾患制御研究室 研究員)
循環器病の研究を支える生物資源−ウサギモデル(WHHLMIウサギ)
塩見 雅志(神戸大学医学部附属動物実験施設准教授)
疾病モデルマウスとゼブラフィシュを用いた心臓・血管疾病病態解明
  望月 直樹(国立循環器病センター研究所循環器形態部 部長)
創薬資源としての薬用植物
  渕野 裕之((独)医薬基盤研究所薬用植物資源研究センター
主任研究員)
医薬基盤研究所の生物資源研究紹介
  薬用植物資源研究センター    木内 文之 センター長
  遺伝子資源研究室      高橋 一朗 主任研究員
実験動物開発研究室 松田 潤一郎 研究リーダー
細胞資源研究室  小原 有弘 研究員
霊長類医科学研究センター   保富 康宏 センター長

◎ 定員  100名
◎ 参加申込み 下記までメール又はFAXにて申込み下さい。
(名前、所属、住所、e-mail、電話番号を記載)
 申込み先:h-0811@nibio.go.jp  FAX:072-641-9821
・締切:平成20年11月17日(月)
※ 定員を超える申込みがあった場合は、以降の参加をお断りさせていただく
場合もございますので、ご了解下さい。
[問い合わせ先] (独)医薬基盤研究所生物資源研究部Tel:072-641-9819


◆第2回ICGNマウス研究会開催のご案内◆

日時:平成20年12月12日(金) 14:00から17:00
場所:(独)医薬基盤研究所 1階 第1会議室

ヒト遺伝性ネフローゼモデルとして有用なICGNマウスは、現在(独)医薬基盤
研究所から有償分譲を行っており、多くの研究者に利用されています。ICGNマ
ウスは重度のタンパク尿、低タンパク血症、高脂血症、貧血、浮腫を呈し、病
態の進行にともないメサンギウム領域および尿細管間質の線維化が認められ、
ネフローゼモデルとしての特性を備えたモデル動物です。一方で繁殖が困難、
個体差が大きく、利用し難いといったデメリットもあります。ICGNマウスなど
腎疾患モデル動物を使用している研究者が交流することにより、モデルマウス
のデメリットを克服し、より有用な系統として確立すること、さらには腎疾
患の病因解明、腎疾患治療への貢献を目指し、昨年度に引き続き研究会を開催
することとなりました。

<参加申し込み>
参加希望者は下記連絡先までメールにてご連絡ください。参加費は無料です。
(研究会終了後、懇親会も予定しております。詳細は後日 連絡いたします。)

<演題募集>
Power Pointを用いた口頭発表(発表時間20分、質疑応答10分)の演題を募集
いたします。(ICGNマウス以外の腎疾患モデル動物を用いた研究についても演
題登録を受け付けます。)
講演要旨は、記入例を参考に作成し( http://animal.nibio.go.jp/からダウ
ンロードできます)、下記連絡先まで添付書類としてメールにて送付してくだ
さい。講演要旨の受付をもって、応募受付とさせていただきます。
締め切り日: 11月21日(金)

<連絡先>
(独)医薬基盤研究所 生物資源研究部 実験動物開発研究室
内尾こずえ
TEL:072-641-9820
E-mail: kozue-mt@nibio.go.jp
URL: http://animal.nibio.go.jp/

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◆I◆  ★★ 細胞バンク事業 ★★
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** JCRB細胞バンクからのお知らせ **

 ◎全国調査継続実施中(無償でマイコプラズマ汚染検査を行います)
 
          http://cellbank.nibio.go.jp/fieldtest/ 
  
 < ★PR★ =受託検査業務=>
   
   @ 細胞検査業務マイコプラズマ汚染検査

   A STR分析による細胞のクロスコンタミ検査

 受託検査は有料ですが、皆様が利用しておられる培養細胞の品質に関す
 る データを取得しておくことは科学的にも重要なポイントとなります
 ので、是非ご検討ください。

 ▼高発がん性遺伝病患者由来細胞コレクション(京大放生研)

   発がんの遺伝的背景の解明に役立つ日本人における高発がん遺伝病
   患者とその家系に由来する細胞です。詳細は

  http://cellbank.nibio.go.jp/cellbank/deposit/kurbsummary.html 
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** 研究倫理に関する活動 **

● 人体由来組織・細胞と情報の研究利用をめぐる最近の動き(27)

前の回ではヒトiPS細胞の倫理問題について解説しました。今回はそれ以上
のインパクトを持つと考えられているゲノム研究の方向性について考えて見
ます。ヒトゲノムプロジェクトが2004年に終結して、日本ではゲノム研究は
終わったという考え方支配的です。というか、「でした」といったほうが適
切かもしれません。しかし、昨年のScienceの科学トッピクスのトップがヒト
ゲノム研究でした。正確にはGenome Wide Association Study(GWAS)と呼ば
れる研究の目覚しい成功です。ちなみに、ヒトiPS細胞の作成は2番目でした。
GWASという研究はヒトのゲノム全体をくまなく調べて、それと例えば病気と
の関係を調べる研究スタイルです。このような方法が可能となったのは、ヒ
トHAPMAP Projectの成果です。HAPMAPとはハプロブロックの地図を意味しま
す。少々難しいのですが、解説を試みます。親世代の体内で精子や卵子がで
きるときにヒトのゲノム上では祖父母から来たゲノムの組み換えがおきます。
それまで、祖母親と祖父親から一本ずつ染色体として受け渡されていたゲノ
ムが、親の精子や卵子ができるときに組み換えを起こして、祖母親と祖父親
のゲノムが混ざりあうのです。しかし、この混ざりあいはある大きさでおき
るので、組み換えを起こして子供に受け継がれたとゲノムを調べるとある大
きさが祖父から、或いは祖母から受け継がれたものであるのです。このゲノ
ムの組み換えのときの単位をハプロブロックといいます。その単位がどのよ
うに分布するか、そしてその上のSingle Nucleotide Polymorphism(SNP)と
いわれるものがどのように分布するかを調べ、そのハプロブロックを代表す
るSNPを見つけたのがHAPMAP projectです。この研究は2002年からはじまり、
2004年に完成しました。このハプロブロックの地図と、ゲノム上の目印が整
備されたことで、ゲノム全体を効率よく研究する考え方が生まれました。そ
して、この地図を手がかりにゲノム全体を調べるチップが2005年ぐらいから
開発されました。GWASの代表格はWellcome Trust Case Control Consortium
という研究活動です。この活動は2007年の科学トッピクスのトップにゲノム
研究を押し上げた原動力です。この活動について、そしてその先にあるゲノ
ム研究の問題点については、この次の回に解説します。
   (増井 徹)

研究倫理に関するページ (JCRB細胞バンクホームページ内)
http://cellbank.nibio.go.jp/information/ethics/kiban01/index.html

ご質問やご意見があれば、是非 cell@nibio.go.jp へお寄せください。

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◆2◆  ★★    新規細胞    ★★
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● 新規分譲細胞のお知らせ ●
   
○抗ヒト成長ホルモン抗体産生(サブクラスIgG2a(κ))
マウスハイブリドーマ細胞株  
JCRB1222.02:HGH1.6.5
http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1222.02.htm (近日公開)

○抗metallothionein抗体産生(サブクラスIgG1(κ))
マウスハイブリドーマ細胞株
JCRB1304:MT-45-5-3
http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1304.htm

○GPIアンカーの無いプリオン蛋白(C末端の214-230残基)に対する
抗体産生(サブクラスIgG2b(κ))産生マウスハイブリドーマ細胞株
JCRB1314:HPSV178-4-3
http://cellbank.nibio.go.jp/celldata/jcrb1314.htm (近日公開)

♪☆=--=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-♪☆

● JCRB細胞バンクのホームページから細胞株の情報を入手できます。
   http://cellbank.nibio.go.jp/
                            (小原 有弘)

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◆II◆  ★★ 実験動物バンク事業 ★★
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1.疾患モデルマウスバンクの事業
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○疾患モデルマウスの収集/収集したマウスの品質管理、凍結胚での保存

◆★疾患モデルマウスの寄託をお願いします!★◆

○疾患モデルマウスの分譲
   マウス胚50個/チューブを融解し、胚移植後、生まれた産仔すべてを
分譲します。 (97000円/1件)

○凍結胚・凍結精子の保護預かり業務(動物の情報は非公開で預かります)
   クライオチューブ4本保管で 11000円/1年
   ストロー16本/1年保管で 11000円/1年
        凍結胚・凍結精子作製サービスも行っています。

○疾患モデルマウス関連情報発信


2.新規マウスの分譲情報
  ――――――――――

▼次のマウスの分譲を開始しました。どうぞご利用下さい。

 FAT-UCP2/X (生活習慣病/肥満関連)
 AMPK-DN (6ライン、生活習慣病/肥満、糖尿病関連)
 AMPK-CA (4ライン、生活習慣病/肥満、糖尿病関連)
 NDRG1 flox(コンディショナルKO/末梢神経変性など)
 SIK2-KO (生活習慣病/糖・脂質代謝)
 SOCS-5 Tg (2ライン、免疫異常)
 KLF15 (2ライン、生活習慣病/糖尿病関連)
 PGC-1α (3ライン、生活習慣病/筋萎縮)

3.疾患モデルマウスの紹介
  ―――――――――――
【MEF2Aマウス】

資源番号:nbio059
由来:(独)国立健康・栄養研究所 基礎栄養プログラム
樹立者・寄託者:三浦進司先生
分譲条件:提供承諾書が必要

このマウスは骨格筋特異的にMEF2A(myocyte enhancer factor 2A)を過剰発
現させたモデル動物です。MEF2Aは、骨格筋で筋肉の赤筋化を促進する転写
因子の一つとして報告されています。また、筋肉での糖取り込みに重要な
役割を果たすGLUT4の発現にも関与していると報告されています。赤筋化し
た骨格筋では脂肪酸酸化が促進され、またGLUT4の発現増加は糖代謝が盛ん
になることを意味することから、本モデルマウスは、MEF2Aを標的とした糖
尿病や、広くメタボリックシンドローム予防機序の解明に役立つことが期
待されます。
 
分譲をご希望の方は、larb@nibio.go.jpまでご連絡ください。
 
医薬基盤研究所 疾患モデルマウスバンクのホームページ
 http://animal.nibio.go.jp/
分譲可能な動物、サポートサービスの情報はこちらのホームページで公開
しています。

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III あとがき
 温暖化のせいでしょうか、朝夕は冷え込むものの11月も目前なのに日中
は天気がよいと汗ばむ陽気ですね。私のデスクからは近くに山が見えるの
ですが、紅葉には遠しという状況です。窓の外側には夏ごろから女郎蜘蛛
が巣を張り、最盛期には9匹くらい観察されました。窓のない部屋での作
業が多いこともあり、外を眺めに来たスタッフはみんなこの蜘蛛を観察し
て行きます。大きい雌に対してとっても小さい雄が控えています。かまき
りが掛かって翌日は姿がなかったり・・・・。実際に食べている現場は観
察できていませんが、虫が部屋の光に釣られて飛んできてひっかかるよう
で獲物が多いとみえ、雌はまるまるしています。しかし産卵のためでしょ
うか、先日から姿が減り始め、現在2匹です。卵嚢は見当たりませんが冬
は越さないようですから、子供たちが卵で越冬し春に孵化、秋に成熟して
産卵後死んでしまうという生活環のようです。ただ強くは無いようですが、
毒を持っているそうですから気をつける必要があります。来年はどうなる
か気になるところです。                 (E.T.) 
                               
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★ JCRB e-mag へのご意見・お問い合わせ先:
  (独)医薬基盤研究所 メールマガジン発行事務局
  メール: cell@nibio.go.jp

★ 細胞分譲の依頼先
  (財)HS研究資源バンクまでどうぞ。親切丁寧に対応いたします。
  メール: hsrrb@osa.jhsf.or.jp
  
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★ 発信元
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独立行政法人医薬基盤研究所
◆ 細 胞 バ ン ク (http://cellbank.nibio.go.jp/)
◆ 遺伝子バンク (http://genebank.nibio.go.jp/)
◆ 実験動物バンク (http://animal.nibio.go.jp/)
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