培養細胞ムービーデータの作成

Last Update: 06/06/22
医薬基盤研究所・細胞バンク
水沢 博

1996年頃から1999年頃までに作成したムービーデータの利用

動画データの作成機器

    細胞増殖の様子をムービーで撮影する装置には、定温チャンバーを取り付けたZeiss社の培養用倒立顕微鏡を使用しています。

    画像データを取得するにはZeiss 3CCDビデオカメラで行い、カメラからの出力は画像キャプチャーインターフェースを介してパーソナルコンピュータへ入力します。このデータはムービー化されたデータではなく、一定間隔で連続して撮影した静止画画像データとなっています。サイズは 640x480ドットのモノクロ16階調データです。

    画像キャプチャーインターフェースには miro社の miroVIDEO DC20 を使用.また、ビデオデータの転送には、ヨーロッパで普及している PAL 方式を用い、高い画像解像度として 720x540ドットが得られますが、国内標準のNTSCを使用して 640x480 ドットで画像データを取り込んでいます.

    画像の取得には専用取り込みソフトウエア KS300 を使用しています.顕微鏡の光源はコンピュータで制御され、画像取り込みに同調して発光します。このシステムは、全てZeissで構築した仕様です.

原データの取得と保存

    このシステムでは、細胞を定温チャンバー内で培養しながら一定時間ごとに撮影し、映像をディジタル画像ファイルとしてハードディスクに記録します(miroVIDEO DC20)。取得した画像の記録は、1こまを1ファイルとしてビットマップ形式(BMP,640x480ドット)でおこない、ファイル名は自動的に連続番号が付けられて一連のムービー(画像シークエンス)であることを識別できるようにします.

汎用ムービーデータへの変換

    取り込んだ連続画像データは Ulead社の Video Editer(V6.5)を用いて汎用的なムービーファイルとします。ここで、どのような動画にするかが問題になります。インターネットで閲覧してもらうことを前提に考えていますので、ファイルサイズを可能な限り縮小し、読み込みが迅速に行えるフォーマットにすることにしました。現在採用しているのは MPEG 4 というフォーマットで、360ドットx240ドットとしています。これで残念な点はMpeg4は画質がかなり粗くなってしまうという点です。将来回線速度が向上してもう少し大きいファイルサイズにも耐えられるようになってきたら、フォーマットの変更を検討するつもりです。

培養細胞ムービー撮影の条件

    上記に示した動画の撮影は少し古いものですがシステムのテストを兼ねて実施したものです。そのため、MOVのフォーマットとなっています。こちらのほうが映像は少しきれいになっているように思います。細胞は、JCRB0710, EJ-1 です。撮影は、5分間隔で 300分間おこない、60枚の画像データが発生しましたが、これを一本の動画ファイルに変換しました.
    変換は2段階で行い、最初に連続画像を縮小してMOVファイルへ変換し、その後MP4(MPEG4)に変換しました。2段階にした理由は、MP4フォーマットがまだ新しいため、ソフトウエアが対応していない場合があり、複数のソフトウエアを組み合わせたという理由によるものです。前者に Ulead の Media Editor 後者に Apple の Quick Time を使用しています。
    上に示したサンプル動画では、細胞密度がかなり高くなったところで撮影しているので、細胞の分裂は捕らえられていませんが、動きはわかります.付着性の細胞が一度剥離して丸くなって分裂し、分裂後再度付着する様子がわかでしょうか。特に後半の倍率の高いところが見やすいでしょう。

培養細胞ムービーデータフォーマットの検討

利用者のインターネット環境が下の各フォーマットの再生の可否に影響を与えるので試してみてください。我々の希望としては、ファイルサイズの情況から最終的にはMP4ファイルを利用しています。また、どうしてもWebBrowserから直接再生するのが困難な場合は、一度各自のコンピュータにファイルをダウンロードしてからムービープレーヤーで再生するのが良いと思います。ダウンロードは『画像にリンクしている部分で右ボタンをクリックし、メニューから”リンク対象をダウンロードする”』という操作をすれば可能です。

現在のムービーデータ作成の環境

補足


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