リスボン宣言

【患者の権利に関するリスボン宣言】(1981)


 実際的、倫理的または法律的な困難があるかもしれないことを認識したうえで、医師は常に自己の良心にしたがい、また常に患者の最善の利益のために行動すべきである。下記の宣言は、医師が患者に与えようと努める主な権利の一部を述べている。法律または政府の行動が、患者のこれらの権利を否定する場合には、医師は適当な手段によりそれらの権利を保証または回復するように努力すべきである。


  1. 患者は、自分の医師を自由に選ぶ権利を有する。

  2. 患者は、何ら外部からの干渉を受けずに自由に臨床的および倫理的判断を下す医師の治療看護を受ける権利を有する。

  3. 患者は十分な説明を受けた後に、治療を受け入れるかまたは拒否する権利を有する。

  4. 患者は、自分の医師が患者に関するあらゆる医学的な詳細な事柄の機密的な性質を尊重することを期待する権利を有する。

  5. 患者は、尊厳をもって死を迎える権利を有する。

  6. 患者は、適当な宗教の聖職者の助けをふくむ精神的および道徳的慰めを受けるか、またはそれを断わる権利を有する。


上農 哲朗 訳

NIFTY-Serve:医と社会のフォーラム(FMEDSOC)より転載しました。上農哲朗氏に感謝いたします。