DM201培地について

JCRB細胞バンク:水沢博
2001.10.9.

    DM201培地はDM160培地の代替培地としても利用できる医科研にて開発された培地ですが、現在別表の23種の細胞について指定培地として記載されております(DM160は製造中止)。

    この培地は、かつて極東製薬が製造して販売しておりましたが、極東製薬が培養事業から撤退したため、日本製薬が特注品として製造して和光純薬を通じて販売されてきました。

    しかし、日本製薬におきましても、少量の注文生産はコストが高くついて販売のたびに赤字となるとのことで、注文に応じられなくなってしまったとの連絡を和光純薬を通じて頂きました。

    しかし、細胞バンクがある程度の量をまとめて注文する場合はまだ何とか維持できるということですので、暫くの間、JCRB細胞バンクがまとめて購入してキープするようにいたします(その後下記のようにDM201培地の販売を継続するとの返事をメーカーから頂きましたので、当該培地は各自和光純薬からご購入ください)。

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      そこで、これらの細胞を培養する場合はJCRB細胞バンクまで電子メールにて『送付先』を明記して、ご依頼ください。1リットル単位でご送付いたします。また、HSRRBに該当細胞を発注した場合は、HSRRBからJCRBに自動的に培地の送付の連絡をしていただくことにしましたので発注に連動してお送りいたします。

      また、お急ぎの場合は重複しても構いませんからJCRBにもその旨メールにて御連絡ください。さらに継続して培養する場合にもその旨ご連絡ください。なお、培地は粉末となっております。


DM201培地について:販売継続
JCRB細胞バンク:水沢 博
2001.10.15.

    DM201培地の製造と販売について、上記コメントを書いた後に、日本製薬と和光の担当者の方が細胞バンクまで来てくださって、製造と販売についての事情を伺うことが出来ました。

    この培地は粉末培地で作成しているもので、培地を製造するには粉末を攪拌するミルを動かさなければならないため、少量の生産は難しいことがまず一つあるそうです。そして、現在我が国の経済失速から会社として効率化が求められており、少量の特殊培地の生産には応じられなくなりつつあり、その旨各方面にお詫びをしつつ生産の継続については中止をしていることは確かである。しかし、幸いなことにP3系細胞で使用するDM201培地の需要は少ないとは言っても1年から2年に一度、150リットル単位程度での製造を現在でも行うことができているので、事情としては最悪という状態では無いそうです。とは言っても、ある程度のまとまった需要があるという確証を得たいということで、細胞バンクがどの程度使用するのかという点を尋ねられましたが、当JCRB細胞バンクでは年間50リットルは使用します。そこで、その程度がコンスタントに消費できるのなら何とか頑張って特注品としてではあるけれども市販は継続できるとのことでした。

    なお、本培地については特注品であるため、販売元の和光純薬のカタログには掲載されておらず、研究者の方がどこに注文してよいか混乱することがあるので、特注品として受注する旨是非カタログに掲載して混乱を招かないようにして欲しいということを、細胞バンクとして要望しましたが、是非検討したいとの返事を頂きました。

    以上のような結果でしたので、DM201培地は今後も販売が継続されることになったと考えて頂いて良いと思います。なお、販売は和光純薬ですので、必要な方はそちらに連絡を取ってください。また、DM160培地はDM201培地に置き換えられることが開発者の高岡先生より指示がありますので、DM160培地の販売は中止されます。