JCRB細胞バンク:大西清方
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アミノ酸以外にかなりの量のペプチドを含み、またアミノ酸組成もロットによってかなり異なるのが普通である.したがってこれを使用して培養結果が一定になるとは限らない.アミノ酸源として0.4−0.5%になるように培養液に添加し、非常に多数の種類の細胞の培養に用いられている.
非常に吸湿性の高い粉末なので、手早く所定量を計り取り水に溶かし、薬包紙に付着している分も水で流し込む.吸湿性の割には水に溶けにくく、濃厚保存液としては5%が限度である.グルタミンと同様に熱に不安定であり漉過滅菌が望ましい.
GIBCO BRL の製品で,Cat. No. 320-1250AG, Earle's BSS に0.65%に溶解した製品があるが、上記の5%保存液を自家調製した方が良い.
大日本製薬株式会社は、Flow Laboratories の製品,Cat. No. 30-003-49,25%イースト抽出液として販売されている.
ろ過滅菌の場合はマイコプラズマの混入に十分気をつけること。ブドウ糖を溶解するビーカや三角フラスコなどは乾熱滅菌したものを使用し、蒸留水も微生物の混入の無いことが確信できるものを使用すること。また、操作を行う実験台上も清掃にこころがけ、培養培地などを滴下させたまま放置しておくことが無いように心がけること。万一サンプルをこぼしたりしたような場合には必ず逆性石鹸などで絞った雑巾で汚れをふき取っておくこと。
組織培養用添加物として 100 倍液,FLOW LABORATORIES の製品が大日本製薬株式会社(16-001-49, 100 ml), GIBCO の製品がライフテックオリエンタル株式会社(320-1051AG 100, ml)から市販されている.
Earle, Hanks の塩類溶液に 1%に添加し(グルタミンを規定量添加しなければならない),後述するビタミン液を同様に 1% に添加すると Basalmedium, Eagle を調製できる.またアミノ酸総量を 2倍にして使用する場合に既製の Basal Medium Eagle に添加して使用する.
組織培養用添加物として 50 倍液,FLOW LABORATORIESの製品が大日本製薬株式会社(16-011-49, 100 ml), GIBCO の製品がライフテックオリエンタル株式会社(320-1130 AG, 100 ml)から市販されている.
Earle, Hanks の塩類溶液に 2% に添加し(グルタミンを規定量添加しなければならない),後述するビタミン液を同様に 1% に添加すると Basal Medium, Eagle を調製できる.またアミノ酸総量を 2 倍にして使用する場合に既製の Minimal Essential Medium に添加して使用する.
100 倍液,FLOW LABORATORIES の製品が大日本製薬株式会(16-004-49,100 ml), GIBCO 社の製品がライフテックオリエンタル株式会社(320-1040 AG,100 ml), 三光純薬などから 100 ml 容の製品が販売されている.
100 倍液, FLOW LABORATORIES の製品が大日本製薬株式会社(16-014-49, 100 ml),GIBCO 社の製品がライフテックオリエンタル株式会社(320-1120 AG,100 ml)などから販売されている.
自家調製をするときは、2.38 g の HEPES を秤量して水に溶解して 100 ml とし,高圧蒸気滅菌する.
培 地 | 略称 | 6% glutamine | 10% NaHCO3 |
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Basal medium, Eagle | BME | 5 ml | 17-20 ml |
Eagle's Minimum Essential Medium | EMEM | 5 ml | 20-24 ml |
Dulbecco's modified Eagle's Medium |
DMEM | 10 ml | 20-24 ml |
Dulbecco's modified Eagle's Medium |
DMEM | 10 ml | 37.5-40 ml |
RPMI1640 medium | RPMI | 5 ml | 20 ml |
ES Medium | ES | 5 ml | 17-20 ml |
培地 1 liter への添加量を ml で表示 |
各メーカのカタログを参照し、細胞培養用試薬のリストの中から探す。一般試薬のカタログに記載されているものの中には細胞培養に適さないものもあるので注意を要する。
Sigma社のカタログでは、培養用試薬の中に、Bovine Cellculture Grade の Insulin と Human, Recombinant expressed in E.coli sodium salt crystalline の Insulin が掲載されている。いずれもヒト細胞の培養に使用することができるので、どちらを使用するかは、実験の目的で決める。
使用濃度の 1,000倍 - 10,000倍濃度で0.2M HCl 水溶液、又は1% CH3COOH 水溶液に溶解する。
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フィルター滅菌をする。フィルターは低吸着性(GV grade)を使用。
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セラムチューブなどに 0.5ml づつ小分けする。
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-20℃以下で保存する。
更新日 2001.2.27.
By Mizusawa, H.