細胞の簡易凍結保存法JCRB細胞バンク:大西清方 細胞バンクから入手した細胞は,継代歴が増大しないうちに保存用として凍結しておくことを推奨する.また,解凍培養直後の細胞は実験には使用しないで,安定に増殖することを確認した後,二継代目以降から使用したほうがよい.
補:細胞バンクでは細胞の凍結と保存にはガラスアンプルを使用し,プログラムフリーザーにより凍結しているが,一般的には上記簡易凍結法で比較的良好な結果が得られる. 補:BIOCELL は大西清方氏考案の簡易細胞凍結用の容器で,プラスチック製中空容器の中に熱伝導率の低い液体を封入し,クライオチューブなどに分注した細胞を10本ほど入れてディープフリーザーに放置することにより緩慢凍結を促すものです.日本フリーザーから市販されています.
Nov. 9, 1995 |
大阪HSRRBからの細胞凍結に関するメモ佐藤 元信
また血清の凍結時における保護効果は侮りがたく、濃度を20%にすると生存率が改善されることが多い。 凍結培地は通常、培養培地にDMSOを加えるようになっているが、作業に先立って培地にDMSOを添加して、よく攪拌してから氷冷しておく。DMSOは水溶液に添加すると発熱するので、この熱を取り除いておくことがポイントとなる。 細胞凍結に際しては、細胞を集め、遠心してペレットにした後、DMSOを含む凍結培地を加えて細胞を浮遊させて良く混合する。その後均一にクライオチューブ(アンプルなど)に分注する。 分注後は氷冷しておく。細胞を培地に浮遊させてからDMSOを直接混合すると失敗する。 注:各ステップでの温度上昇を避ける配慮が必須である。
このまま一晩静置して凍結する。 凍結後は速やかに液化窒素タンクに移す。 注:凍結後のクライオチューブの取りあつかについては上記同様温度上昇が起こらないよう注意することがポイントとなる。 液化窒素タンクからの取り出し時や移動時の温度上昇が生存率に強いダメージを与える。 多くの場合、ドライアイス上で行うのが妥当である。
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