高岡聰子
これらのP3細胞は、個体レベルでは不可欠な脂溶性ビタミンと不可欠脂肪酸を加えていない培養培地ないで増殖を続けた結果、その脂質構成には、多価不飽和脂肪酸が見出されず、脂肪酸合成、一価不飽和脂肪酸合成、コレステロール合成の昂進が著明です。これらの際立った特徴は、血清の添加によって速やかに失われます。
一方、血清培地継代株に比べて、細胞膜が弱いこと、光に感受性が高いこと、少数細胞での扱いが困難なことなどの欠点もあります。
培地は現在 DM-201、細胞分散はラバークリーナーでかき落とす方法を用いています。細胞分散にトリプシンの作用を止めるための血清を使いたくないからです。凍結には無血清用凍結保存培地FM−1(株・極東製薬工業)がよいようです。