【勝田班月報:6703:各班員4NQOによる発癌実験開始】

  1. 4NQO類による培養内発癌実験:

       
    1. ラッテ肺センイ芽細胞の4HAQOによる処理

       細胞はJAR系F20生後13日♀の肺組織由来のセンイ芽細胞RLG-1の培養内継代30代を用い、4HAQOは0.01N・HClで保存、PBS及びDで稀釋して2μg/ml(約10-5乗M)で用いた。TD-15の培養をこの液で37℃・10分間処理し、その後培地で洗って培養しています。処理は1966-9-8、10-3、10-6と3回おこなったところ、徐々に細胞がやられてしまった。しかし12月になって数コのコロニーが出来て、これを継代したが増殖はあまり早くない。復元の準備中である。
       

    2. ラッテ皮下センイ芽細胞の4NQOによる処理(顕微鏡映画)

       JAR系ラッテがどうも続かないかも知れないと思われたとき、また同系統のラッテの雑系を元にして純系を作る企てをはじめたが、仮にこれをJAR2系と名付けると、JAR2・F1生後3日、同F2生後9日♀などの皮下組織からセンイ芽細胞をとり出して培養し、これを4NQOで処理しながら顕微鏡映画で連続的に形態の変化を追った。その一部を供覧する。はじめの実験では4NQOは塩類溶液Dで5x10-5乗Mに稀釋し、37℃、30分〜1時間処理した。次は映画をとりながら、そのまま培地に5x10-5乗M及び5x10-6乗Mに加え、24時間37℃で加温した。10-5乗Mのレベルでは細胞がほとんどやられてしまって、その後も細胞が生えてこないことが多い。この種の細胞では10-6乗Mのレベルが適当らしい。九大癌研の遠藤らは処理後に世代時間5時間などという細胞の出現を報告しているが、我々はまだそんな細胞は見出していない。

       4NQOが細胞内のどんな処へ局在するかをしらべるため、H3-4NQOを用い、H3TdRの場合と略同様の方法でRadioautographyを試みた。しかしどうも3日という露光時間は短かすぎたらしく、grainsが見られずに終った。

       また遠藤らの記載している核内封入体というのを確かめるため、10-6乗M、2x10-6乗M、10-5乗Mの3種で24時間処理して、原法通りに固定染色してみたが、封入体様の存在はほとんど認められなかった
       

    3. 4NQOの培地内安定性

       中原らは4NQOがSHと結合して不活化することを報告しているが、培地内で血清その他から由来するSHのために、4NQOが忽ち不活化してしまうかどうか4NQOを培地と混合し、20℃及び37℃で7日間、その366mμ及び252mμにおける吸光度の変化を追究したが、不活化は全く認められず、4NQOは培地に直接添加してもかなり長時間安定であることが判った。

     
  2. DAB代謝:

     “なぎさ”→DAB高濃度処理、DEN処理或はDAB-N-oxide処理後のDAB高濃度処理などによって、ラッテ肝細胞の色々な変異株が作られてきたが、それらのDAB代謝能を同時に比較してみた。1月号の月報に報告したように、寺山研で培地を生化学的に分析して頂いた結果と、我々のやっている培地を直接比色する方法の結果とが非常によく一致したので、ここでは450mμでの吸収を直接測ることにした。培地にDABを20μg/mlに4日間加えて培養したあとの培地の吸光度によって判定した。

     DEN群は、ジエチルニトロソアミンを10μgから1,000μgまで次第に増量しながら与えたあと(3ケ月)、さらに3カ月間高濃度DABで処理した株である。N-oxideは10μg/mlから50μg/mlまで4カ月与え、高濃度DABでさらに2月間処理した株である。

     大部分の変異株では代謝能を失ってしまっている(培地内のDABが減らずに残っている)が、MとDEN12、13とは反って代謝能が昂進し、4日間にほとんど完全に20μg/mlのDABを代謝してしまう。(ラッテ肝由来の各種変異株のDAB代謝能の表を呈示)

     何とかこの代謝に関与する酵素蛋白を分離したいと考え、細胞をhomogenate levelでまず粗く分劃し、DAB代謝が行われるかどうかをしらべた。細胞はDEN-13を用い、凍結融解3回、2,000rpm 15分の上清と沈渣とに分けた。容器は比色管を滅菌して用い、実験の終りまで同一容器にゴム栓で密封したまま加温し、そのままで比色した。反応液は次の組成であった。「ATP 10-3乗M、DPN 10-5乗M、MgCl2・6H2O 10-3乗M、ニコチン酸アミド 10-2乗M」を0.25M-Sucrose液に溶いたもの3容と「DAB 20μg/ml」を培地にといたもの1容の混合液である。すなわちこの場合、DABの終濃度は5μg/mlになった。結果は培地だけにDABを加えた場合には吸光度が反って増えて行ったが、沈殿の方ではわずかながら減少がみられた。今後反応液の組成を改良することによって分劃レベルで代謝を活発に行わせられるように努めたいと思っている。



 

:質疑応答:

[堀川]凍結融解3回だけで細胞が全部こわれるでしょうか。

[勝田]無菌的に処理しなければならないので、この方法をとったのですが、回数その他、もっと検討してみましょう。

[永井]時間と共に「培地」のO.D.が上って行くのは、どういうことでしょう。

[高岡]実は低温で液を保存していたので、DABが一部析出していて、それが37℃加温と共に少し宛溶けて行ったのではないか、と想像しています。

[永井]DABの代謝産物も出ているかも知れませんから、全吸収カーブをとってみると良いですね。

[勝田]話が変りますが、永井班員のおすすめで、Collodion bag(ドイツ製)というのを買って先日使ってみましたが、透析とちがって外液でうすめられないから、低分子と高分子を分けるとき、とくに低分子を必要とするとき非常に便利のようです。

[堀川]Transformatin rateは計算できますか。

[黒木]現在のところはまだ・・・。

[堀川]4NQOで処理するとgeneralには作用を及ぼしますが、大きな変異がつかまるのは頻度の問題になりますね。

[黒木]封入体のことですが、月報No.6510にかきましたが、私の経験では、L、rat肺、吉田肉腫では出ません。HeLaでは出ます。

[勝田]封入体は、はじめは遠藤氏はRNAではなくdegraded DNAであると云っていましたが、その後訂正してRNAらしいと報告しています。どうも核小体の変性ということが一番可能性がありますね。

[黒木]そう、はじめはたしかにRNAを否定していましたね。封入体はfibroblastsでは出なくて、epithelで出るのではありませんか。



《螺良報告》

うっかりしている間に1月が過ぎ、月報の原稿を忘れたことは大変残念でした。

 さて年末に今まで生えにくかったマウスの肺腺腫がEagle培地で生えて継代できた事に勇気を得て、正常肺の培養のin vitro carcinogenesisにとりかかって見ました。とくに肺を選びマウスを用いた理由はA系マウスの生体でメチルコラントレン及び4NQOによる誘発実験をやったことがあるからです。尤もこの実験には以下のような問題があることも承知の上で計画しました。

     
  1. マウスは特にspontaneous transformationが多いが、in vitroでin vivoより速にtransformさせることを第一の目標とすること。

     

  2. 今の所、TD-15及びTD-40しか設備がないので之でやって、transformationは主に戻し移植に頼ってチェックする。

     

  3. 肺腺腫好発系のA系が充分得られないので、繁殖のよいICRで先ずスタートする。

     

  4. 4NQOは10-5乗位までなら培地にとけるということで(微研・釜洞、愛知がんセンター・田中)投与を簡単にする為に直接血清にといた後に培地に溶いた。濃度は10-7乗〜10-8乗をねらった。

     

  5. 正常肺として、胎生16〜17日のICR胎児肺を用い、10%コウシ血清加Eagle培地を用いた。4NQOとの接触は継代株を用いず、培養1日後から開始、細胞の変性を目標に正常培地に切りかえる。

     

  6. 無処置の培養正常肺は継代して、時々ICRマウスへ戻し移植を行ってspontaneous transformationをチェックする。

 目下の所、培養は4週間程度で、TD-40を用いて培養した正常ICR胎児肺5本のうち、10-7乗を1本、10-8乗を1本4NQOを投与しました。

 「無処置群」NEP-1、NEP-2、NEP-3

 (顕微鏡写真を呈示)培養1日後、割に速かに発育し、1日後でコロニーの形成が認められる。細胞は敷石状の配列をとるものもあるが、培養日数を経るに従って遊走魚群状に並ぶ紡錘型の細胞もみられる。これら2種の細胞は互に移行しない様で、後者の中に前者が島状にとりこまれている所もある。

 培養2週間では主に後者の細胞が互に方向性を失って交錯したcriss-cross状の配列もみられるので、4NQO処置による変化に之が特異的かどうかは問題であろう。なお脂肪染色では変性顆粒以外に特に脂肪滴は明かでないが、PAS及びムチカルミンでは細胞質の染るものがある。

 「10-8乗処置群」NEP-5

 培養1日後から4NQOを2.7x10-8乗モル濃度に培地に加えたものでは細胞の変性が全く起らないようで、対照群と同様な発育がみられる。従って2週間後に継代し、さらに1週間後3代目の継代を行い、成熟ICRマウスに戻し移植を行った。

 (顕微鏡写真を呈示)初代培養5日目の位相差像は、大部分は敷石状にならぶ上皮性様の細胞であるが、一端に紡錘状の細胞もみられる。培養日数が進むにつれてcriss cross状の所見もみられるが、特に対照群との差異はみられない。

 「10-7乗処置群」NEP-4

 初代培養1日後に4NQOを2.7x10-7乗培地に加えると、既に12時間後に著明な細胞の変性を来すので、4NQOは一応溶解して作用しているものと考えられた。

 (顕微鏡写真を呈示)添加3日目には、細胞変性が著しい為に5日目で添加を打切り、正常の培地に切りかえた。変性の著しいコロニーがあるが、中には余り影響をうけないコロニーもあったので、その後培養を継続しているが、増殖が余り良くないので継代しうるに至っていない。

 「まとめ」

 以上、ICRマウスの胎児肺を用いて4NQOの添加を行ったが、添加は直接血清にとく方法によった。細胞変性が10-7乗と10-8乗の間で起っているので、之が今後の添加量の一応の目安になろう。今の所、生体で肺腺腫が顕微鏡的にみられる8週から12週を一応in vitroで添加の期間の最大限としてみたい。

 今後の方針としては復元経験でどうなるかを対照群と共に確かめることにあるが、さらにICR以外に、肺腺腫好発系のA系について同様の実験を試みたい。



 

:質疑応答:

[勝田]細胞質全体に脂肪顆粒が拡がるのですね。Follic acidかATPを入れてみると防げるのではないでしょうか。銀染色は何日間培養後の染色ですか。

[豊島]2週間です。

[勝田]それなら普通ならば染まる筈ですね。4NQOの10-8乗Mは入れ放しですか。

[豊島]そうです。10mgを40mlにとかして、それから順に終濃度にします。

[堀川]復元はどこへやりましたか。

[豊島]皮下です。生後1週の仔、newborn、adult・・・いろいろやりましたが、newbornは翌日死んでいました。1週のは生きています。

[吉田]ICRはどの程度純系なのですか。

[豊島]判りません。

[堀川]Criss-crossのカテゴリーはどうですか。何層位に重なるのですか。

[黒木]うすい時にはよく判りますが、細胞が平行して重ならないで、直角に重なり合い、かなり厚くなります。

[勝田]しかしセンイ芽細胞は無処置でも上に重なったりしますね。

[黒木]24時間培養で処理となると、増殖した細胞だけでなく遊走してきたのもかなり混っていますね。初代24hrということは大変結構と思いますが、組織片でなくトリプシン処理して均一な細胞群にして使うべきと思います。4NQOはfibroblastsには強く作用しますが、epithelにはそれほどでありませんからね。それでepithelが残ったのでは・・・。

[勝田]あとにひとつ残った組織片から生えだしたのはどうもepithelのような感じでしたね。4NQOを抜いてから何日経って見付けたのですか。

[豊島]次の日です。

[勝田]作用中にも生えていて生き残ったのか・・。どうもselectionみたいですね。

[吉田]こういう実験のときは細胞の種類を一定にしておいてやらないと、はっきりしませんね。耐性獲得にしてはどうも期間が短かすぎるようです。

[永井]4NQO処理による変異細胞は、4NQOに耐性がありますか。

[黒木]他の発癌剤ではみな耐性があるとされていますが、4NQOの場合は無いようですね。4NQOを血清にとかすというのは少しおかしいですね。3x10-3乗Mまで水にとけるというデータがあります。6-chloro-4NQOはPBAによく溶けます。

[勝田]がんセンターの千原氏のデータに、4NQOが核酸の色々な組成の内、guanineに特異的に結合することを癌学会で発表していましたね。

[堀川]DNAもsingle strandだと結合しない。guanine以外だという説もあります。



《黒木報告》

今回は次の4つの点について報告をします。

  1. hamster embryonic cellsに対する4NQO、4HAQOの添加方法及び濃度の検討
  2. 3T3を用いた4NQO transformationの検討
  3. 凍結保存添加剤としてのinositolの使用経験
  4. NQ-3、NQ-4、HA-7の追加
(1)ハムスターembryonic cellsへの4NQO、4HAQOの作用、特に濃度及び添加方法について

発癌剤の添加方法を

  1. Monolayer growthの細胞にかける
  2. Suspensionの状態の細胞にかける
の二方法に分け、また濃度も4NQOでは10-5.5乗、10-6.5乗、10-7.5乗また4HAQOでは10-5.0乗、10-6.0乗、10-7.0乗とそれぞれ3段階をおいてtestしてみました。

 ☆Exp.#433(1966.12.13開始)

 5日間cultureした初代培養のハムスター胎児細胞を100万個/B.づつ遠心管(池本40ml)にとる。cellsはPBSにsuspend、incubator(37℃)で2時間、4HAQO 10-5.0乗、10-5.5乗、10-6.0乗、10-6.5、10-7.0乗とcontactした。遠心でcarcinogenを除いたのち、TD-40に継代した。

 結果:Carcinogen contact groupとcontrolの間に何らのgrowthの差、形態の差はみられなかった。すなはち、cell necrosis、criss-crossed arrangementなどの“Early Changes”はいずれにも見られず、現在はpractically no growth。

 ☆Exp.442(1967.1.19開始)

 4NQO及び4HAQOをmonolayer growthの細胞に、溶かした濃度は4NQOで10-5.5乗、-6.5乗、-7.5乗M,4HAQOでは10-5.0乗、-6.0乗、-7.0乗Mである。

pronase処理で得られた初代培養細胞4日目にcarcinogenを添加した。

 4NQOはmed.中に吹きこみ、4HAQOはcell cheetに吹きつける方法をとった。(diluentは4HAQOは0.9%NaCl Soln.に0.1N HClを1/10量加えたもの、4NQOは生食である)

 処置回数は、4NQO 10-5.5乗Mが1日おき2回、他はすべて5回である(4NQO 10-5.5乗M群のみ2回なのはcell damageが甚しいため)。

 Carcinogen添加後19日(2月7日)現在では、4NQO 10-5.5乗、4HAQO 10-5.0と10-6.0乗にEarly change(criss-cross)あり、他は不明、目下継代かんさつ中。

 ☆Exp.447(図を呈示)

 初代の細胞を培養5日目に継代するとき、suspensionの状態で、4NQO、4HAQOを添加した。実験方法は次の通り。100万個/B.で培地中にsuspend、そこにcarcinogensを吹きこみ、最終conc.、4NQO 10-5.5乗、-6.5乗、-7.5乗、4HAQO 10-5.0乗、-6.0乗、-7.0乗とする。37℃のwater bath中で80回/mim振盪させながら処置。遠心してcarcinogenを除き、100万個/TD-40の濃度でinoc.した。

 結果:10-5.5乗M 4NQOはガラス壁に附着する細胞はない。10-6.5乗Mでも、10-7.5乗M or controlの1/10程度、4HAQOは細胞障害がほとんどみられなかった。

 Criss-crossed arrangementは10-6.5乗M 4NQOにみられたのみ、4NQO 10-7.5乗、4HAQO各群もcontrolと同じようであった。

 ☆Exp.451(図を呈示)

 Exp.447のdataから、4NQOの濃度とうえこみcell濃度に改良すべき点が明らかにんったので、次の組合せで実験を行った。4NQO 10-6.0乗M 300万個/TD-40、4NQO 10-6.5乗M 200万個/TD-40、4NQO 10-7.0乗M 200万個/TD-40、前回と同様、37℃、2hr.、80/m.でShaking。8日後(2月10日)継代のときは10-6.0乗Mに多くのfociがみられた。

 以上のcarcinogenの濃度とsuspension contactの方法は実験後日も浅く、まだEarly changesの段階ですが、次のことは云えそうです。

  1. 4HAQOはsuspension contactでは全く効果がない。
  2. Suspension contactのときは、half or one log 4NAOの濃度を下げる必要がある。そうしないと細胞が皆やられてしまう。またうえこみ細胞数も濃度に合せて加減する。
  3. 4NQOの濃度は10-5.5乗M〜10-6.5乗M(3.2x10-6乗〜3.2x10-7乗M)、4HAQOは10-5.0乗〜10-6.0乗Mがよいらしい。

(2)3T3細胞の4NQO transformationについて

 3T3細胞はNew York大学のTodaro、GreenらによりestablishされたSwiss mouseの胎児由来の株細胞です。Todaro→奥村→山根のrouteで我々の研究室にも入ってきました。この細胞が有名になったのは、SV-40のtransformationに対して非常に高いtransformabilityを有すること、aneuploidyであるにも拘わらず、contact inhibitionが強くかかり、50,000 cells/平方cmの濃度でgrowthが完全にstopしてしまうことです。

 tumor virusのin vitro transformationの仕事の発展をみていると、最初はprimary cultureからのmalignant transformationが行はれ、次いて、established cell linesを用いたtransformationの解析に入っていくことが分ります。chemical carcinogenでも、当然このstepは踏れることが予想され、そのための準備として3T3を取り上げた訳です。(進行図を展示)

添加方法

     
  1. 従来の如く、cell sheetに直接吹きつける  
  2. med.の中に吹きこむ  
  3. PBSの中に吹きこみ、2時間後に普通の培地にかえる
Carcinogenとしては、はじめて水溶液の4NQO6Cを用いた(6-carboxyl 4NQO)。この物質は、PBS中に(Na+があるので)非常によくとける。発癌性はラットで証明されている(Kawachi T. et al,Gann,56,415-416,1965)。しかし国立癌センター川添豊氏の話ではmouseにcarcinogenecityはないとのことであり、私は目下は使用を中止している。 濃度(final) 4NQO6C:10-6乗M,4HAQO 10-5乗M,treatしたときのcellsはsubconfluent(logarithmic growth)の状態であった。

 結果:cell damageを2時間後にみたところ実験群III(PBSにcarcinogenを加える)はcell damegeが甚しかった。2日後には4NQO6Cは、かなりdamageからrecoverしてきたので、2日後ふたたび4NQO6Cを同じ方法で加えた。4HAQOはcell damageが強いので2回目の添加は行はなかった。その後回復の様子がみえないので、培地交換せずにtotal 19日間放置した。処置後21日後にcriss-crossed arrangement(写真を呈示)を発見、その他、巨核細胞、多核細胞を散見した(シェーマ呈示)。このような多核細胞はハムスターの胎児細胞を4NQO、4HAQOで処置したときにも認められた。

 さらに1週後(処置してから28日)にはMacroでもややdenseなfocusとして認められるようになった。focusの数は次の如きである。4HAQO I(cell sheet):7/TD40、II(medium):2/TD40、III(PBS):3/TD40。4NQO6C I(cell sheet):17/TD40(一部felt状)、II(medium):8/TD40、III(PBS):13/TD40。目下carcinogenのconcentなどをかえて検討中である。

(3)凍結保存のときの添加剤としてのInositol

 Joseph Morganのdetaによると、inositolは細胞凍結保存のとき抗原性の変動を防ぐということが、勝田班長のお土産話として、班会議のときに報告されました。(文献では不明のため目下Morganに問合わせ中です)

 routine workには現在、DMSO 10%luquid airシステムで行っていますが、inositolに切りかえるべくその予備実験をしました。

 Inositolは水には15%(V/W)程度しかとけません。濃度を上げて20%までとかしても凍結すると析出してしまいます。

方法及び材料:吉田肉腫(ascites)。:medium、 Eagle 10%Bov.S.。:4℃に2h、-80℃に3h、以後liquid airに移し、3日後細胞の生存をtrypan blueで計る。

結果
(% W/V orV/V)2015107532
inositol25.256.073.080.076.851.5
MSO76.580.093.591.091.086.5
 上表の如く、DMSOと比較すると、生存率の低いのが気になります。凍結speedなどもDMSOとかえる必要があるのかも知れません。

このため、現在はDMSO愛用中です。

(4)NQ-3、NQ-4、HA-7についての追加

☆NQ-3:継代し、目下動物移植をしているところです。

☆NQ-4☆HA-7:not malignant transformationとして報告しましたが、その後非常に長いlatentをへてtumorが発生、histologyはまだですがやや訂正の必要がありそうです。tumor発生動物は次の通りです。

#131 NQ-4 500万個SC移植(adult)培養95日の細胞、移植後206日に母指大のtumor発生

#212 HA-7 ch.p 200万個 148d. 移植後70日ch.pにtumor。



 

:質疑応答:

[勝田]Cell sheetに発癌剤溶液を吹き込んで、どの位の時間おくのですか。

[黒木]20〜30秒位が濃い濃度で接触する時間です。後は培地でうすめられます。

[勝田]Criss-crossというのは、顕微鏡でみていて、或ピント面ではタテに細胞が並んでいて、ピントをずらせるとこんどは横に走っている−というようなことでしょう。

[黒木]そうです。そういうことです。

[勝田]振る場合は何時間ふるのですか。その間に4HAQOは失活してしまうでしょう。

[黒木]2時間ですから活性はなくなっていしまうと思います。

[勝田]3T3という株は、いつもFull sheetにならない内に継代してやらないと、性質が変ってしまうのではありませんか。

[黒木]Establishされてからはその必要はないときいたのですが、一部重なったりするのが見られるのはその為なんでしょうかね。

[佐藤]発癌剤がよく効くのは細胞の増殖が良いときで、growth Curveの落ちている時には効かないのではないでしょうか。

[黒木]Logarithmic phaseのときの方がきれいにtransformationが出るという報告がSV40-3T3の実験で出ています。

[勝田]振盪培養をする理由は何ですか。

[黒木]細胞を硝子壁につかせないためです。Cell sheetで処理すると、はじめ居た細胞の内、大半がやられて減ってしまいますが、これだとあとの培養開始のとき、中途半端にやられた細胞までも着かないから、Selectされてしまいます。

[佐藤]3T3は無処理では変異しませんか。

[黒木]形態をみているだけで、悪性度は見ていないようです。

[佐藤]復元後の所見は自分の場合と同じようですね。復元後長期間たって出来たtumorでも、再培養して元と同じような形態の細胞が出てくるので、接種した細胞がtumorを作ったと思います。しかし時々良性悪性の混ったようなのもあります。

[勝田]Heterochromatinが変異細胞に残っていれば、別の性の動物に復元して鑑別可能ですね。

[吉田]いや実はそれで問題があるのです。

☆吉田俊秀氏・4NQO変異細胞の染色体分析:

 黒木氏の4NQOによる変異細胞の染色体分析を仙台に赴いて行ないました。4NQOはmutagenic actionがあるとされていますが、変異細胞は何れも2nよりも染色体数が増えていました。無処理の細胞にはXXとXYのが混っていて、初めの材料が両性の胎児を混ぜて使っていることが判りました。

吉田肉腫に4NQOを1.6x10-3乗M・0.8ml腹腔内注射し、30分後に染色体の異常をしらべると、1)直後には染色体がばらばらに切断され、2)その後も切断が多くなり、3)48時間後にはtranslocationも認められました。H3-TdRを使ってみると、Breakageを起している細胞にだけラベルがあるので、G2 stageに効いているかと思われます。吉田肉腫の染色体の核型を大別してA、B、C・・・のように染色体群を分けると、A、G、B群の染色体に切断の起り易いことが判りました。切れ易い群と殆ど切れない群がありました。

[勝田]HA-7の染色体モードが2nと云われましたが、動物に戻したときは如何ですか。

[吉田]しらべて見たいとは思っていますが・・・。2倍体数の染色体の核型が正常のとは違っているのでほっとしました。元の材料に♀♂の混っているのはまずいですね。

[奥村]皮下の細胞を使えば20代位まで2倍体を維持できます。Spontaneousに悪性化した場合は2n-rangeのものが多いですが、この場合は非常にdamegeを受けた後の変異だから4n近くが出来たのではないでしょうか。G6Paseの活性は性染色体にあると云われますが、増殖に関するgeneと分化に関与するものと、分けられないものでしょうかね。

[黒木]Transformationは注意深く見ていれば細胞が少数の内にも見付かりますが、復元には数が要るので、増える迄待たなくてはなりません。

[吉田]癌の場合は増殖に関与する染色体だけが残るのではないでしょうかね。Plasma cell tumorを使って、染色体とγ-globulin産生との関連をしらべていますが、染色体数が倍加すると、γ-globulin産生量も倍加するというデータを持っています。今後、増殖と染色体との関連性も見ようと思っています。

[堀川]Hybridizationを使って、染色体レベルで倍になったとき、機能的に双方100宛のこともあり、50,50のこともあり、染色体と機能の問題はなかなか難しいと思います。癌化もgene levelで考えられると良いのですが、これが難しいことですね。細菌などの例から見ても、DNAを直接attackしなくても、ミトコンドリアに何か着くということで逆にgeneを変えるというようなことも考えられますからね。



《佐藤報告》

 (ラッテ胎児←4NQO実験系図を示す)RE-1とRE-3実験は4NQOをDimethyl-sulfoxideに溶かしたものを投与、RE-2はエタノールに4NQOを溶解した。形態学的に見ると、4NQOの影響を受けたと思われる細胞は小型で細胞質に顆粒を生じて来る。又、重なり合ふ傾向が現われる。Controlの細胞は外形質が広い。一般に認められる細胞はfibroblast like cellである。復元動物は目下の所Tumorをつくっていない。

 又、この実験で10-6乗〜10-5乗M程度が細胞の耐え得る濃度と想定できたので、5x10-6乗M(DMSO)で細胞を処理後、2、3、及び5日目に生死を観察した。

◇自然発癌:RLN-21 箒星状細胞の株を復元した例、10例中1例が復元後367日にTumorを形成した。粘液を分泌する株に見える。目下再培養して更に復元し性状を確める予定。

RLD-10及びRLN-21を含めてラッテ肝組織を起源とする細胞株8株中6株がTumor-producing capacityをもったこととなる。

◇DAB吸収実験は目下精査中。



 

:質疑応答:

[永井]DABの消費がゼロになった時の細胞を顕微鏡でみると、どんな状態ですか。

[佐藤]すっかりこわれていました。

[堀川]低温では酵素が働かないのではないでしょうか。

[永井]酵素の働きを見るなら低温にして実験するのは意味がないと思いますね。

[佐藤]DABの消費が色素が蛋白に吸着することの結果なら、低温でもみられると思うのですが。

[永井]細胞レベルでの話と酵素レベルでの話とは区別して考える必要がありますね。

[勝田]佐藤班員の場合は、酵素レベルでしらべるつもりではなく、細胞レベルで、ただ細胞が増殖しない状態での消費をみたいと思ったわけですね。

[佐藤]そうです。増殖している状態で消費をみていると、増殖度が一定でないと消費量(細胞当り)が一定でなくなり、相互の比較が出来なくなるので、低温におけば細胞が増殖しない状態での消費がみられると考えたわけです。

[勝田]増殖している時期と増殖していない時期との消費のちがいを、同じ細胞で先ずしらべてみるべきではないでしょうか。それから4NQOの仕事の方ですが、何故胎児を使ったのですか。

[佐藤]培養が容易だということと、黒木班員と同じ方法で追試したいと、考えたからです。

[勝田]自然悪性化の頻度の高い胎児はなるべくさけて、新生児か乳児を使うようにした方が良いと思います。我々は乳児の皮下からfibroblastsをとっていますが、簡単に培養出来ますよ。我々の所では、なかなか細胞が悪性化しなくて困っていますが、材料にラッテを使っているからではないかと考えたりしています。ラッテの細胞というのは悪性化しにくいのではないでしょうか。

[佐藤]私の所で悪性化した系も、3年以上培養したものばかりです。悪性化するとは思いますが、しにくいといえるかも知れませんね。



《三宅報告》

 発癌剤を作用せしめて、その電顕のAutoradiographyを追究するというのが私共の目的の一つでした。前回の月報でも書きました通り、その目的をはたす前にTestとしてやった電顕のphotosの方が一足先に出来ました。それはヒトの胎児の(12週前後の)皮膚をSponge-Matrixで培養したものです。Spongeがあるという事が電顕の包埋後の薄切処理に障害を残すのではないかというのは単なる「キユウ」に終りました。この頃になると(培養1週間)、立派な角質層ができていて、その下の棘細胞層も4〜5につみかさねられています。角質層の部は、切片の中に出にくかったのですが、Basal cellsと棘細胞は、美しい像を現わしました。Basal layerでは、まだTonofibrilesが出来ていないのです。これは成人のこの部の細胞との大きい差です。棘細胞層では細胞間にDesmosomeが作られていますが、これから細胞質内に延びるべきtonofibrilesの走行は充分ではありませんし、又このTonofibrileの上に  して出来て来るKeratohyaline granuleの形成も不充分です。それらしく見えるのはMelanin顆粒と  されました。又正常の成人の棘細胞と異る所は形質が如何にも明快でOrganellaの形成の僅少なことでした。以後、20-MCAのlabelしたものについての、電顕Auto radiographyにほぼあしがかりが出来たことを申しのべたいと思うのです。また、先般から、tubeの壁に直接、Spongeをつけて、炭酸ガス+酸素のgasで培養を行い、培養液にふれる部と、ふれない部について、37℃と30℃の下で培養しました。これでは、液に全く  した所の液層が最も適していました。37℃と30℃とでは、差があって、皮膚付属器の出来上っている時期(九大の高木博士が前にしめされたハムスターの皮膚のような)では30℃がよくて、それ以前の未熟な皮膚については37℃が適当であるとの成績をえました。これから、しばらく、gasを(炭酸ガス+酸素)からNにかえること、30℃で廻転させてみて、皮膚の角化の差をみたい所存です。



 

:質疑応答:

[勝田]高木班員のデータでは低温低湿がよいということでしたね。

[高木]そうです。そして実験をくり返してみましたが、同じ結果を得ています。しかし、結果は正反対のようでも、三宅班員の使われた材料は、まだ本当に未分化な3ケ月のヒト胎児の皮膚であり、私の所で使ったのは生まれる直前のハムスター胎児であることを考えると、むしろ理屈にあっていると思います。

[勝田]培養内でうまく分化したものですね。in vivoでの各時期の標本を電顕でとっておいて、培養内で分化したものと対比させてみる必要がありますね。

[高木]分化の度合いはin vivoよりin vitroの方が急速なようですね。

[勝田]どの位の期間、培養を維持できますか。

[三宅]1ケ月位は維持できます。



《堀川報告》

 (実験 2)前報の(実験 1)に続いて今回は同様の方法でマウスdd/YF系(♀)(生後49日)から得たBone marrow cellsを2群に分けて培養し、In vitroでの観察を続けることを主目的とした。第1群は70%YLH、10%Tryptose phosphate broth、20%牛血清を含む培地でcultureし、第2群は同培地に4NQOを1x10-5乗Mのfinal

concentrationに含む条件下で22時間処理し、その後は第一群同様にNormal mediumで継代を続けている。

Controlは培養後5日頃から細胞数は次第に減少し、しかも残存する細胞はそのsizeを次第に増して行く、一方4NQOで処理した群はその形態もそれほどに大きく変化することなく浮遊状態で細胞数を次第に増してくるようであり、培養開始後8日目において、一本のculture bottleからそれぞれ2本のbottleにdivideした。現在培養開始後13日目になっている。

 (実験 3)同じくdd/YF系(♀)(生後56日目)のbone marrow cellsを分離、(実験 2)と同様の方法で培養を始めた。ただ、この実験では4NQOで処理する時間を2時間にとどめ、以後はnormal mediumで継代している。継代期間中の細胞形態の変化はcontrol、実験区ともに(実験 3)のそれとほとんど同一である。

☆今後の実験としてはcontrolさらには4NQOで処理した群の細胞のtransformationの追求さらには細胞の同定が必要である。同時にいい時期に同系のマウスにtransplantして白血病を起こさせる能力があるかどうかも確かめなければならない。



 

:質疑応答:

[高木]4NQOで処理しない群の細胞が、だんだん大きくなって行くのは、若い未分化な細胞が残っていたのだとは考えられませんか。

[堀川]出発点では見られない細胞です。どうしてこういう細胞が出てくるのか、今の所全くわかりません。

[黒木]PHAを添加するとどうなりますか。

[堀川]骨髄系の細胞の場合、PHAを添加すると細胞が凝集してしまいます。

[吉田]細胞は増殖しているのですか。

[堀川]対照群の大きい細胞も増殖してはいますが、まだbottle1本を2本に分けられる程にはなっていません。4NQO添加群は培養開始後8日目に2本に分けられました。

[黒木]生きたままの状態で観察するだけでなく、塗抹標本を作ってきちんと細胞の同定をしなくてはいけないのではないでしょうか。

[堀川]細胞がもう少し多くなったら、ぜひ標本を作ってしらべてみなくてはと考えてはいます。

[勝田]しかし大変面白いアイデアですね。こういう系が確立できると白血病にも手がつけられますね。



《高木報告》

 月報6702に報じたハムスターの皮フ移植実験のその後の経過及び4週間目の結果について。 
  1. adult→adultの系では6匹のうち2匹死亡、残る4匹のうち1匹に3週目頃よりgraftの部分の発毛をみとめ約4週目の現在graftはtakeされた。他の3匹には瘢痕性収縮をみとめ結局この系では1/4がtakeされた。
  2. suckling→adult、この系では先般の2週目までに6匹中2匹がtakeされていたが、その後20日目頃には他の1匹にも発毛をみとめ、残る3匹は4週目の現在、瘢痕性収縮をみとめ、結局この系では3/6にtakeされた。

以上の結果よりみて、ハムスター胎児又はsucklingの皮フをpanniculusと共に培養しても移植復元には差支えないものと思われる。上記のものと月報6701に報じた移植実験の結果をまとめてみると、各系とも大体半数近くがtakeされたとみられる。今後、S(suckling)→A(adult)系につき種々検討していきたい。

 次にcell cultureについて、1月26日実験開始、方法は既報の如くLeo sachsの方法に従い、4日目に継代して翌日より2日毎に4HAQO 10-3乗Mol in E-OHを黒木氏の方法に従って添加(10-3乗Molを0.08ml/8ml添加で10-5乗Molになる)し、実験群は2、4、8日間添加群及び無処置対照群の4群とした。carcinogen添加翌日にはこれまで同様Flask中央のcarcinogen通過部位の細胞は大部分剥離し辺縁部のものは対照とあまり変りなく残っている。各群からcarcinogenを除くにあたりHanks液で3回、complete mediumで1回洗った。carcinogen添加後早いものでは2日目頃より残存せる紡錘状細胞のcytoplasmaが部分的に他細胞に重なり合う傾向がみえはじめ、その後次第に紡錘形の細胞が数を増してくるが7日目に至り、4及び8日添加群の一部にcriss-crossを認め、9日目には添加全群にこれをみとめたがあまり勢いよく増殖しているとは思われず著明なfocusも作っていない。controlは現在3Gにあるが胞体の広く拡った細胞が殆んどで増殖はよくない。



 

:質疑応答:

[吉田]このデータでは同腹と異腹との間に差がないようですね。これは純系度合によるのではないでしょうか。

[黒木]純系動物を使うべきですね。

[藤井]移植成功率がこの程度の動物を使って、復元実験をするということは問題があると思います。

[吉田]そうですね。ただ非常に悪性化した培養組織だとtakeされるでしょうが。そうでないとなかなかtakeされなくて実験としては大変でしょう。新生児を使うのも一つの方法ではないでしょうか。

[高木]4NQOの実験の方へ移りますが、変異コロニーはパッと出てきますか。

[黒木]毎日見ていて出てくるか出てくるかと待っていると、イライラするので5日目位に観察して、変異したかしないか決めるようにしています。ですから別に4日目にはなくて5日目にパッと出てくるというわけではありません。

[吉田]癌化した時の判定の一つにcontact inhibitionの消失ということがあげられているようですが、それについてどう考えられますか。

[勝田]判定基準の一つに含まれてもよいと思いますが、contact inhibitionがなくなったから必ず癌化しているとは言えません。

[奥村]形態的変異の場合、どんな細胞からどんな細胞へ変るのですか。

[黒木]私の場合にはpile upするということと、増殖が早くなるということで判定しています。

[奥村]細胞レベルでの変化ですか。例えばセンイ芽細胞が上皮細胞に変るというような。或いはコロニーレベルですか。

[黒木]コロニーレベルです。

[勝田]“なぎさ”の場合には、全然別の形の細胞がcell sheetの上にコロニーを作るのですが、黒木班員の場合もcell sheetの上に変異細胞のコロニーをもっていくと見分けがつきますか。

[黒木](顕微鏡写真のスライドを呈示)このように見分けがつくと思います。

[奥村]しかし、センイ芽細胞様の形態のものが上皮細胞様形態に変化したのではないようですから、形態変異はあまり強調せずに増殖の方を強調した方がよさそうですね。

[勝田]これは班全体としての宿題だと思いますが、変異を問題にするからには、クロンをとる技術を習得して使いこなすようにしなくてはなりませんね。