MC210によるマイコプラズマの除染
2001. 3. 26.
HSRRB、榑松美治

準備
  • ターゲットの細胞:マイコプラズマ汚染細胞

  • 徐染用試薬:MC210(大日本製薬)50μg/ml溶液 冷暗所保存

  • 細胞培養器具類及び培養用培地:目的の細胞に合ったもの

手順
  1. 目的の細胞に最適な条件で培養を開始する。(注1)

  2. 細胞の継代時に培養用培地にMC210 を 0.5ug/mlの濃度になるように添加する。(注2)

  3. MC210を0.5ug/ml含む培養用培地を使って継代培養を継続し、3週間培養を継続する。

  4. 3週間後、MC210添加培地を無添加培地に変えてさらに培養を継続する。

  5. その後、蛍光染色法又はPCR法を用いてマイコプラズマ検査を行い、陰性になったことを確認する(マイコアラート法も可)。

    陰性となった場合は、ここで細胞を凍結して保存し、一部を継続して培養する。

  6. 継続して培養を実施する部分は、そのまま3ヶ月間(又は30継代)培養を継続して、時々マイコプラズマ検査を実施する。

  7. 3ヶ月めにマイコプラズマが陰性なら、既に凍結した細胞についての除染が完了したとみなす。マイコプラズマ検査のために長期培養した細胞は原則廃棄する。

    (注1)解凍培養の場合は、解凍培養後2日程度置いてからMC210添加培養用培地と交換する。

    (注2)浮遊系の場合は遠心分離により培地を取り除き、新鮮なMC210添加培養用培地と交換する。

    (注3)MC210井戸端会議。

    (注4)井戸端会議の記述では使用濃度が50ug/mlとなっていましたが、50ug/mlというのは溶液で提供される製品の濃度です。使用濃度は 0.5ug/ml と明記されております。訂正してお詫びします。

    (注5)除去作業の時だけ使用することを厳格に守る必要があります。MC210の基本的なプロトコルでマイコプラズマを除去ができなかった場合でも常時添加しておくということは厳に避けてください。染色体異常が起こったり、耐性菌が出現することも考えられるので大変危険です。この方法で除去できなかった場合は残念でも廃棄処分をするか、もう一つの除去法(MC210とBM cyclinを組み合わせた除去法)を試みます。