《勝田報告》
1)発癌実験:
2)細胞株:
3)正常細胞と腫瘍細胞との間の相互作用(parabiotic cell culture) 肝癌と正常の心センイ芽細胞の間ではセンイ芽細胞はほとんど影響を受けぬのに、肝癌はごくわずか促進される。次に吉田肉腫と正常肝の間は、正常肝はいつの実験でも殆んど影響を受けなかったのに対し、どういう訳か吉田肉腫の反応は実験をやるたびに異なり、影響を受けぬこともあるし、抑制をされることもある。他の組合せでは再現性があるのに、この実験だけはいつもちがう結果が出ました。肝癌と正常肝の組合せのとき、parabiotic cultureの他に両細胞を直接混合してmixcultureも作りましたが、mixの方が相互作用が強く現れました。細胞が直接相接して何かやっていることが想像され、顕微鏡映画をとってみたら面白いと思うのですが、目下器械が故障していますので来春までとれません。以上の結果を綜合して考えますと、腫瘍と正常の細胞の間には、たしかに細胞レベルでも相互作用が見られること、しかも腫瘍とその起源した臓器の正常細胞との間には何かしら特異的関係があるらしいこと、が判りました。さらに想像をたくましくすれば、腫瘍が転移巣をつくる場合には、機械的にそこに腫瘍細胞が引掛り易いということの他に、そこの正常細胞との相互作用で、増殖しやすいところと、抑制されるところとある。こういう点もかなり影響しているのではないか、という気もいたします。 癌細胞と正常細胞との間の関係については、中原癌研所長のToxohormone説あり、逆に阪大・久留教授のOncotrephin説もあります。私共の研究結果には腫瘍細胞とparabiotic cultureすることによって正常細胞のmitosisが促進されるような現象は認められませんでした。従って久留教授の云われるOncotrephinは癌細胞が生きている状態では分泌されない物質と考えるべきだと思います。つまり癌細胞乃至各種細胞をすり潰してextractするときのみ得られる物と考えるべきでしょう。
[高木]Mix-cultureで二種の細胞はうまく算え分けられますか。 [勝田]クエン酸による細胞質のとけ方の相違、核や核小体の形態で、区別できる細胞種の組合せだけがMix-cultureできるわけです。 [伊藤]正常肝の培養に加えて増殖を起し得なかったという、正常肝浸出液や腹水肝癌浸出液の5%というのは?。 [勝田]Volume%です。培地内の最終容量%です。但し、この場合濃度は1種類しかしらべなかったので、抑制はいえても、決して増殖を起さぬとは云えません。また貴兄のやっているように、extractした物質の細胞に対する影響をみる場合には、その結果とin vivoに於ける状態とを考え合わせる必要があると思います。即ち、培養内ではその物質の細胞に対する直接作用をみるわけですが、in vivoでは、一旦他の細胞に作用して二次的に、或は全身的反応をおこして、直接的に影響されるということもあるかも知れないからです。直接的作用をうけない細胞でもね。 [佐藤]mixするときの培地は? [勝田]例えば肝癌AH-13と正常肝では、牛血清20%+ラクトアルブミン水解物0.4%で、同じ培地を使う訳です。吉田肉腫のときは馬血清を使います。 [佐藤]腫瘍転移の臓器特異性を考えておられるわけですね。 [勝田]そうです。 [佐藤]正常細胞が増殖しているような条件では相互作用は如何ですか。 [勝田]まだやってありません。 [伊藤]in vitroで細胞数が維持しているような状態は、in vivoに比すると異なっているのではないでしょうか。 [勝田]成体内の大抵の正常細胞がin vivoで増えていないのは、全身的支配で増殖抑制を受けているのか、或は成長促進物質が体液中に欠けている為か、この二つが考えられる。しかしin vitroに移して、全身的な支配から外してやり、embryonalの細胞が増えるような培地に入れてやっても、adultの細胞は増えない、という結果から考えると、体内では成長促進物質が足りないと考えるべきではないかと思います。そして勿論、正常細胞間でも細胞の種類により、その成長促進物質に何らかの違いのあることは予想されるわけです。成体内では、たとえば肝にしても、正常の状態ではmitosisはきわめて低頻度で、大抵の細胞はきわめて長く生きているわけです。その意味でも、この場合のin vitroでの維持状態というのは、生体内のに似ていると考えてよいと思います。 [堀川]相互作用のfactorが何であるかを追究されるわけですね。 [勝田]正常のchick embryo heartのfibroblastsの成長促進物質をしらべていた時などは、相手が高分子でしかも核酸系がからんできているので、大変やりにくかったのですが、幸にもこの相互作用の場合にはcellophneを通しても作用があらわれる、つまり作用物質が低分子と考えられますので、追究はずっと楽だと思います。そして一歩々々それをはじめているわけです。古川君がいま私の部屋でマウスの腹水系の白血病細胞の培養をずっとやっていますが、腹水移植だと5日位でマウスが死ぬのに、培養に入れると、その白血病が中々増えず、見る見る内に細胞数が減って行ってしまいます。これはやはり培養条件がまだ不満足のためと思います。adultのrat liverと異なり、in vivoでどんどん増える能力を細胞が持っているのですから。 [遠藤]正常肝細胞はin vitroでmitosisがありますか。 [高岡]見たことがありません。おそらく無いでしょう。 [勝田]今年馬胎児肝から3株作ったときにも、3〜4ケ月はmigrationすら見られずにいて、急に株化したのですからね。生きていることは確実です。 [奥村]細胞の生命が、2〜3ケ月も続くとは思われないので、やはりどこかで分裂しているのでしょう。 [勝田]私はそうとは思いません。in vitroでももっと長くすら生きています。かって、やはり馬胎児肝のexplantを培養していたときも、細胞が5、6ケ〜10ケ位ついている処をペンでマークして、図をかいておいても、何ケ月もそのまま形も位置も変らないのです。4月から12月(フラン器の故障)までこの状態がつづいたのです。勿論維持状態です。 [佐藤]培地交新は? [勝田]実験の培養では1日おきです。なお、parabiotic cultureに比べtwinD3管の片方に両細胞をmixした方が相互作用が強く出るということは、細胞間の液相を通じてのみの相互作用以上に、直接接触の作用のあることを示していると思います。TWIN-D3は回転培養で、液の撹拌とdiffusionも良いわけですから、そばにいる方が単に作用物質が濃厚に作用するということになりません。また培養そのものも、肝単独だと壁から浮き易いのですが、肝癌とmixすると、浮かなくなります。肝癌に抑えられてしまうのでしょうか。 [佐藤]praimary cultureと株細胞とでは差がありますか。 [勝田]細胞はできるだけin vivoに近い性質のものでしらべたいのでpraimary cultureを使ったわけです。勿論株の方が使い易いので、この仕事のはじめの頃は、株で基礎的データをとったわけですが。 [佐藤]成長の高い細胞の方に影響が強く出るというようなことはないですか。 [勝田]腫瘍性の強さと相互作用の強さとの比較は将来やってみようと思っています。 [遠藤]Oncotrephinですが、in vivoでも腫瘍内でlysisを起している場合は、細胞内の物質が出てきて実際に作用する可能性はある訳ですね。 [伊藤]その可能性が大きいと思います。 [勝田]Parabiotic cultureでは量比で考えてOncotrephinが細胞内固定性のものと考えるならば、それを考慮しなければならぬほど腫瘍細胞が死んで入れ変わっているとは考えられません。伊藤君がtumor extractを分劃して行くとき、逆にL・P1に抑制的に働く分劃を見ましたか。またそれとOncotrephic fractionとの間に相殺(拮抗)されて0になるような関係は見られませんか。 [伊藤]この間しらべた中に抑制物質の分劃がありました。相殺作用は見てありません。
《堀川報告》“組織培養によるL系細胞における変異細胞の遺伝生化学的研究”
L株細胞を各種の物理化学的要因で処理すると、ほとんどの場合細胞分裂の異常をきたし、巨大細胞が出現すると共に、長期処理後にはその耐性細胞が分離できます。この巨細胞や耐性細胞の出現機構をしらべ、癌治療における耐性細胞の出現機構の解明に役立てようとすると共に、耐性細胞を用いて、微生物で明らかにされてきた遺伝情報の伝達機構を哺乳動物細胞の染色体レベルで説明できるようにしたいというのがこの研究の目的です。
これが突然変異によって現れるのか、淘汰によって残るのか、癌の治療に重大な問題ですが、まず第一に、耐性細胞がきわめて小型なところから、原株細胞の中の小型なものを撰り分けてみるために遠沈によって細かく細胞群を分け、夫々そのmitomycin-C感受性を比較してみましたが、これでは差は認められませんでした。そこでLuria & Delbruck,1943やDemerec,1945,1948等が微生物でやったFluctuotion testをやってみました。1本の瓶から何本もの瓶に植継ぎ、その中の1本から、短試10本に植継ぐ群と、各1本から1本宛植継ぐ多数群とに分けて、感受性を比較してみますと、前者の短試の方が感受性のばらつきが大きく、不偏分散が104となるのに対し、後者の短試は皆似たような感受性で、分散は4.01となりました。同様の実験を中間の継代容器をかえてやってみますと、不偏分散が前者では170.5、後者では0.54となりました。この結果から考えますと、耐性細胞は原株中に既に存在している細胞が淘汰によって出現することを暗示されます。さらにNewcomebeの法に従いまして、colony形成期にrubber cleanerでまたdisperseして、それを再び培養しますと、対照に比べ耐性細胞の集落が約10倍多く出ます。これもやはり淘汰を暗示します。
Mitomycin-CとUVとは交叉耐性が認められます。mitomycin-C耐性細胞のhomogenateを作り、そのDNAをL細胞の培養に入れてみていますが、やや不安定になるだけで耐性系へのtransformationは起りませんでした。次に各種耐性細胞を色々な点で比較してみますと、成長率は、UV-、Mitomycin-耐性株が少し低いのですが、細胞の大きさは、UV-、Mit-、γ-耐性株が小型です。またマウスへ復元接種してみましたが、すべて陰性に終りました。但しマウスは無処置のマウスです。
《土井田報告》染色体分析についての補足: 染色体数のPeakはL原株は63本、UV-耐性63本、8-Aza耐性68本、Mit-耐性63本、CO60-γ耐性47本でした。Mit-とCO60-にはFragmentがみられ、Fragmentの出現%は観察日を変えても余り変化しません。従ってFragment自体も分裂するのではないかと想像されます。 Mitomycin-Cの30分、60分処理ではLにfragmentは出現せず、4日ではcentromerのnotching、fragmentation、polypolar、mitosisが見られます。堀川氏のselectiontheoryが染色体レベルで証明できるかが今後の問題です。 :質疑応答: [高木]分析にはルー瓶で何本位お使いになりましたか。 [堀川]10〜20本で、細胞数にして約10の9乗ケです。 [勝田]Lにmitomycin-Cを与えると細胞1ケ当りのDNAが増えて行くようですが、対照群のように仮に細胞数がふえたと仮定して、その数で培養当りのDNA量を割ってみると、対照細胞の1ケ当りDNAと同じ位の量になりますか。 [堀川]controlよりは低い値になります。つまりDNAの合成rateも少なくなっています。 [勝田]そしてATPはあるけど利用されない訳ですね。 [堀川]そうです。phosphrylationが抑制されているようです。 [関口]phosphorylationの抑制と、DNAの合成阻害との関係をもう少しはっきりさせたら良いと思います。つまりAMP→ADP→ATPの過程にそれぞれPが関係してPolymerizationがあってDNAへ。この経路でphosphorylationとpolymerizationとのどっちが抑えられるのか、はっきりさせたいものです。 [堀川]分裂の抑制と、DNA合成の抑制とどっちが先かも問題です。 [関口]それは同じことの裏腹を見ているのではないですか。 [高木]巨細胞はできても、多核細胞は出ないのですか。 [堀川]出ません。 [奥村]Mitomycinを短期作用させたあとでgrowth curveはcontrolと平行していましたね。1週間の結果はそのようとして、2週間みるとどのようになりますか。 [堀川]増殖曲線は2週間は比較してありません。 [奥村]L原株の染色体数が63本となっていましたね.Jが少し多くて、rodが少し少ないようですね。文献では64本以上が多いようですが。 [堀川]いや、White,Dickson(?)は63本でしたね。 [奥村]どこに差がでてくるかが問題です。 [堀川]我々の細胞では63本は間違いないと思います。二人で別々にしらべてみて、63本のものは矢張り63本となるんですから。 [奥村]Constrictionの形をよく見てやらないと・・・。 [土井田]Vをrodにする可能性が多いですね。だから重なっているのを見分けるときなどは、カバーグラスの上からマッチで叩いてみて慎重に確かめています。 [奥村]Fragmentがかなりconstantに出ていますね。idiogramに並べてconstantの位置に出ますか。 [土井田]それは見ていません。どの染色体のfragmentかは判り難いのです。耐性細胞系では全然判りません。 [遠藤]Fragmentationをおこした細胞も分裂できるか、ということですが、Fragmentの無いのが分裂のとき同じ%でfragmentを作って行くということは考えられませんか。 [堀川]重要でない部分にfragmentationを起した細胞が残って行くと考えられます。培地にagentを加えてない時は遠藤氏の云われるような可能性はないと思われます。 [奥村]染色体にsplitの入っていない標本が多いようですが・・・。 [土井田]たしかに中々良い標本ができにくいです。 [堀川]学会が終ったらマウスのprimary cultureでcarcinogenesisの仕事をやりたいと思います。 [勝田]Agentは何を使いますか。CO60なんかが良いんじゃありませんか。 [堀川]ええ、やはり今のようなものを使って、normalのprimary cultureから始めた方がよいと思います。乞御期待というところです。 [遠藤]染色体が各耐性株で異なるのは、selectされた結果とお考えの訳ですね。 [堀川]そうです。 [遠藤]そうするとsubstrainもpureとは云えないということですね。 [堀川]そうです。生命を保つに必要なのは47本位で、あとはnon-essentialのが入っていると考えられますから・・・。 [佐藤]染色体数と増殖率との関係は? [堀川]Lγは47本ですが増殖率は悪いです。pureになればなるほど、他の条件には弱いような気がします。 [佐藤]吉田肉腫で30本台のを培養して行きますと、60〜70本台になります。Ehrlichでも68本というのがあります。 [勝田]株になると増えるのもありますし、さらに減る場合もあります。 [堀川]株化したものを癌化させるよりも、新鮮な細胞をとりだしてmutagenic agentを加えて癌化させる方がやさしいんではないでしょうか。 [奥村]培養していると最初5倍体位が多くなって、その後に3〜4倍体が多くなってきます。 [佐藤]protein-freeにしてからホルモンを入れてみようと思っています。
《高木報告》1)発癌実験:JTC-4株にDABを1μg/mlに常時加えて、6月3日から今日に至っていますが、未だに癌化しません。それから、復元の練習をしているのですが、これが中々うまく行かないのです。3週のWistar ratに400rかけ、Cortisone処理して、細胞としてはHeLaS3とJTC-4をrubber cleanerでかき落して10の7乗ケ接種しました。これを3回やったのですが、3回ともついてくれません。 こんどはStilbesterolでkidney tumorを作りたいと思い、10月からハムスターの繁殖をはじめました。3週〜1月のハムスターを使って培養をはじめる予定です。これですとポーチも使えますし、復元に便利です。予備実験として、rat kidney cell cultureにstilbesterolを与えて毒性をテストしてみました。100mg/mlにエタノールにとかして、稀釋にtyrodeに入れると、濁ってしまいます。これを稀釋して使ってみましたが1μg/ml迄は使えるような気がしました。またsteroid hormoneの併用を考え、 cortisone acetateをしらべましたが、これは100μgが限界でした。virusのsensitivityなども変るのではないかと思っています。目下復元接種の練習に大童です。 2)免疫学的実験: これは杉君がこの間の癌学会で発表しましたが、JTC-4にDABをかけると核の大小不同が目立つようになり、多核細胞も出てきます。JTC-4を嫌気的に培養しても同様です。 stilbesterolを10μg入れて3日後ではpyknoticになってしまいました。顕微鏡写真をお目にかけました。免疫実験の結果はanti-HeLa血清とanti-FL血清ではHeLaとFLは++でJTC-4とLは−、anti-JTC-4血清とanti-rat heart cells血清、anti-L血清ではHeLaとFLは−でJTC-4とLは++か+でした。またこれに使った免疫血清のHA-titerをラッテ及び人の赤血球に対してしらべますと、JTC-4はRat赤血球に4でHuman(0型)赤血球は0、Rat-heart-cellsはRatが8でHumanは0、HeLaはRatが0でHumanは4、FLはRatが0でHumanは64と、何れも種特異性を示して居ります。これ以上進むにはantigenの精製が必要と思われます。京大の岡田氏は発生学研究に蛍光抗体法を使ってきれいな結果を得て居られますが、私はprimary cultureでやってみたいと思っています。 3)JTC-4細胞の無蛋白培地培養: PVPを使ってBSを0.1%まで減らすことはできましたが、それ以上完全にprotein-freeにすることは未だ成功しません。Lはきわめて簡単にadaptしました。但し増殖率は週数倍で伝研のほどよくありません。 4)各種薬剤の影響: 核酸のprecursorであるorotic acidはこれまでの報告ではHeLa、FL、Lには促進効果がないと云われていました。私はJTC-4に10、50、100、500、1000μg/mlの各濃度で影響を見ましたところ、10、50μg/mlの濃度で少し促進が見られました。Changのliver cellの株でも同様です。しかし、HeLa、L、FLではやはり促進は見られませんでした。 次に蛋白同化ホルモンのeffectをみたいと計画しています。アナドロン(anabolic steroid)は疲労や胃潰瘍に効くとされています。DOCAも同様の効果があるとされています。fibroblastの増殖が促進されるかどうかです。cortisone acetateではLもJTC-4も 10〜100μgで阻害されます。 今後進む方向としては、発癌を主体とし、免疫の方もやって行きたいと思っています。
[勝田]Stilbesterolの段階稀釋にどうしてethanolを使わないのですか。 [高木]Ethanolの毒性がこわいのでTyrodeを使いました。 [遠藤]私の経験ではエタノールの毒性は弱濃度ではあまりありませんから、稀釋に使って大丈夫と思います。Controlに同量のを入れればよいのです。 [関口]岡田氏の蛍光抗体法は50%硫安飽和分劃でのmicrosome fractionがもっともogan specificityが高いと云っています。 [勝田]抗原精製も良いけど、非特異的抗原を完全になくすには材料が大量に必要となりますから、できた抗体の方の非特異的なものを吸収する方法の方が良いんではないですかね。 [堀川]萩原という人がやっていますが、相当むずかしいらしいですよ。 [高木]株細胞だと大分変っているから難しいけれど、primary cultureの細胞なら良いんではないでしょうかね。それからanadrolは傷の治療に使うとfibroblastの促進効果があるというので臨床的には良いような気がするのです。 [関口]肝機能がやられるでしょう。 [高木]normal liverでのshiftだけらしいです。 [堀川]DABの本態は何ですか。 [遠藤]p-Dimethylaminoazobenzenのことです。Butter yellowはcrudeのもので、本体はこれでしょう。 [高木]Stilbesterolの構造は? anadrolとの関係はどうですか。 [遠藤]anadrolは大分ちがいます。 [高木]あなた方の復元接種のtechniqueは・・・? [堀川]私のは無処置のC3Hマウスに10の6乗ケの細胞を注射したのです。もっともtumorはできなかったのですが。 [佐藤]私のはL株を12匹入れて2匹位tumor様に大きくなったのですが、10日〜2週で消えてしまいました。後は何ともない。 [高木]Hostの細胞の反応とはちがいますか。 [佐藤]そうですね。残生のような形でだんだん死んで行くのです。同じのに何匹も打ってみました。C3HでやるとLから出たのか発生してきたのか判らなくなるので、腹腔に100〜200万個入れてみましたが変化はないようです。自然発生癌でも移植は中々つきにくいですから、つかぬからと云って癌でないとは云えないし、むずかしいところですね。
☆☆後半へ続く |