令和2年5月28日
BT細胞系の培養について
【準備するもの】
・DMEM (Sigma)/Nutrient Mixture F12 Ham (F12, Sigma) medium that contained 10% FBS, 100 mg/ml streptomycin, and 100 U/ml penicillin (Sigma)
(凍結細胞を再培養する際には20% FBSで使用)
・collagen-coated flask or dish:通常、こちらではCellmatrix Type I-C(Nitta Gelatin, Osaka, Japan)を用いてT25フラスコにコートしています。
・トランスファーピペット:こちらでは下記の製品を使っています。
https://www.bmbio.com/product/tabid73.html?pdid1=232-1S
商品名 : トランスファーピペット 3.3ml 個装
品番 : 232-1S
ブランド : Thermo Scientific
【操作】
基本的には、T25 (25 cm2)フラスコから継代する場合は下記の通りです。
1.コラーゲンコートしたフラスコやディッシュを準備する。(こちらのルーチンの維持ではT25 (25 cm2)フラスコを使用)
2.培養から1週間から10日程度経過し、これ以上の増殖が認められないT25フラスコ上のBT細胞をフラスコからピペッティングで剥がす。
3.15 mLチューブに移し、200 x g, 5分遠心して細胞を集める。
4.培養上清を捨て、8 mLの新しい培養液を加え、ピペッティングして細胞を分散させる。
(※ BT-C細胞は比較的増殖速度がよいようなので1/4量のパッセージで大丈夫です。8 mLのうちの2 mLを以降の手順で播種します)
5.通常の培養ピペットだと先端が少々太くて細胞をあまり分散させることができない。トランスファーピペットを使用して、ピペッティングして細胞をさらに分散させる。
(トランスファーピペットがあればよいですが、無い場合は培養ピペットで代用可?かどうか。)
6.細胞懸濁液0.8-4 mLをT25フラスコに加え、37℃で培養です。(希釈倍率1/2-1/10)
7.2日後くらいには、コロニー状で細胞が点在して接着しているのが確認できるはず。状況をみながら(培養液の色等をチェック)、最低でも1日おきには培養液交換が必要です。
【注意点】
・BT細胞系ですが、かなり扱い難いです。通常のがん細胞や線維芽細胞と同じ感覚で培養しているとおそらく駄目になります。実際に細胞を見ていただければとわかるかと思いますが、コロニー状で増えますし、vesiculationもしてきます。
・今回お送りした凍結細胞は、チューブ1本をT25フラスコに播種でよいと思います。
・細胞を完全に分散(バラバラ)してしまうと、接着せずに死滅してしまうようです。
・BT-AからL、1Sは、細胞によって増殖速度が異なるようです。
【解凍培養の注意点】
・解凍時に使用する培養液のFBS濃度は20%に上げる必要があります。
維持培養では10%で問題ないのですが、凍結解凍時は20%のほうが確実です。
・凍結保存液中で塊を形成していると思いますが、おそらくほぐれないと思います。ピペッティングで完全にほぐしてしまうと、おそらく接着しなくなると思います。
・通常、こちらでは凍結解凍時は1回のみ遠心し、2 mLの培養液(T25 (25 cm2)フラスコ)で培養を開始しています。培養液の量がかなり少ないです。そのまま2-3日、静置しています。動かさないほうがよいと思います。
・凍結解凍時は、僅かに接着したコロニーから増えていくような感じです。
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